2022年3月23日水曜日

法人固有職員の住居手当の見直しについて

 法人固有職員の住居手当に関しては、2014年度の横浜市における制度変更の市大固有職員への反映に始まり https://ycu-union.blogspot.com/2014/11/blog-post.html 、その際、大学当局が法人化時の「市立大学職員の処遇は市職員に準ずる」という労使合意について「知らない」と言い出したことから、法人化時の合意の取り扱いと住居手当の引き上げの2つの問題を並行して扱わざるをえなくなり、2016年8月には2016年度分の取り扱いについてのみ暫定合意しました https://ycu-union.blogspot.com/2016/09/blog-post.html

 その後、市職員の住居手当がさらに引き上げられたため、さらなる交渉が必要となり、決着がつかないまま、継続協議とすることで合意 https://ycu-union.blogspot.com/2016/11/105003.html 、2017年に入ると当局側が法人化時の合意の変更を言い出し(このあたりから住居手当問題は法人独自の給与・評価制度の問題の一部となり、住居手当自体に関する交渉は時間的制約や優先順位の問題で俎上にのぼりにくくなってきます) https://ycu-union.blogspot.com/2017/02/2.html 、給与・評価制度の暫定措置と継続交渉で同意後 https://ycu-union.blogspot.com/2017/03/541.html 、2017年9月には給与体系の見直しで妥結したものの、住居手当問題は進展しないままとなりました https://ycu-union.blogspot.com/2017/09/blog-post_3.html

 2018年2月には、この問題について改めて当局側に質問書を提示 https://ycu-union.blogspot.com/2018/02/blog-post_24.html 、2018年4月からの住居手当引き上げについては合意通り実施することを確認したのち https://ycu-union.blogspot.com/2018/03/blog-post.html 、改めて交渉再開を要求するものの https://ycu-union.blogspot.com/2018/05/blog-post.html 、実際には当局側の都合で交渉は行われず、せめて回答くらいはきちんと出すよう要求 https://ycu-union.blogspot.com/2019/02/blog-post_10.html 、その後も交渉が再開されないため2019年8月に再々度交渉再開を要求したものの https://ycu-union.blogspot.com/2019/08/blog-post_30.html 、その後は「組合の要求には応じられない」と口頭で繰り返すのみで、当局側は交渉自体に応じようとしない状態が続いていました。

 ところが、先月2月24日、当局側からいきなりこれまで組合が要求してきた通りに「法人固有職員の住居手当を4月から市職員と同額まで引き上げる」旨の提案が示されました。それ自体はもちろん歓迎すべきことであるのですが、近年の交渉時自体に応じようとしない姿勢、一転して組合の要求に全面的に応じることになったにしても、交渉が行われていないため組合にとっても突然の知らせであり、しかも提案と言いながら実際には決定事項を伝達するような内容で、実際、4月から実施の制度を2月末に「提案」されても実際には時間的に「交渉」は困難等々の問題があり、下記の通り、提案は受け入れるものの労使交渉の在り方等に関して改善を求める回答を行いました。

 

 なお、今回法人側が拒み続けてきた要求に応じることにした背景には、交渉開始以来すでに7年以上が経ち、年月の経過に伴い固有職員の年齢が上昇して多くの職員は支給対象外になったことがあるようです。これもまた素直に喜べない要因の一つです。とは言うものの、引き上げ対象となる一握りの固有職員の方には「おめでとう」と申し上げて、7年以上に渡った交渉の区切りとしたいと思います。

2022年3月15日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 小山内 いづ美 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 三井 秀昭

法人固有職員の住居手当の見直し提案に対する回答


市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

さて、2月24日付の法人固有職員の住居手当の見直し提案について、以下の通り回答いたします。

  1. 今回提案内容は、組合が2014年秋以降、一貫して求めてきた「法人固有職員の処遇は市職員のそれに準じる」という法人化時の合意に基づき住居手当の額を市職員と同様とする、という要求と内容的に一致するものであり、長期に渡る組合の取組が結実したものとして、これを了承する。

  2. ただし、7年以上の時間が経過しており、この間に当時支給の対象であったはずの固有職員の多くが既に支給対象から外れてしまっていること、交渉の継続や再開が約束されながら、口頭で「組合の要求には応えられる状況にない」として実際には交渉に応じない期間が長期に渡ったことなどは遺憾である。

  3. また、今回提案が提案と言いながら決定事項を一方的に伝えるような文章になっていること、そもそも提案書の体裁をなしておらず誰が誰に充てたものかも書いていない点なども問題であり、今後は適切に対応されることを望む。

  4. 4月1日から実施したいとするものについて2月末に提案している点も問題がある。学内手続きとの関係で実際に組合が提案を検討する期間は1,2週間しかないうえに、仮に修正等を求める必要があったとしても既にそのための交渉の時間は残されていない。法人化後、しばしば起こった問題であるが、近年は改善の傾向にあったものであり、実質的な交渉を行うための提案時期の設定、交渉期間の確保について留意されたい。
以上

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短時間勤務職員の処遇改善について

 具体的には一般職のフルタイム勤務の場合と短時間勤務の場合とで1時間当たりの給与額が異なっており、一方で短時間勤務の一般職の中に残業が恒常化、実際にはフルタイム化しているにも拘らず時間給が異なっているため、同じ時間勤務しても短時間勤務契約の一般職の方が給与額が低くなってしまうという問題になります。嘱託職員、契約職員制度から一般職、有期雇用職員制度への制度変更時には、そもそも短時間契約者が残業を求められること自体が「ない」とされていたため、このような問題が発生することは組合も予期してなかったのですが https://ycu-union.blogspot.com/2017/07/blog-post_18.html 、制度発足直後から実際にはそのような実態が発生しました。

 このため、組合はとして、まず短時間勤務契約でありながら実態としてフルタイム勤務化しており、かつ本人もフルタイム契約への変更を望んでいる組合員の場合にはそのように要求、契約通りの勤務時間とすることを望んでいる場合には残業を行わせないよう要求という方向で望んでいました(これらについては個別組合員に関する交渉となるため組合ニュースには載せていませんが、毎年の組合活動方針おいて時間給格差の問題として取り上げています https://ycu-union.blogspot.com/2019/12/2019-2020.html 等)。しかし、中には組織当たりの定員枠を理由にフルタイム契約への変更を拒まれ、かつ残業の恒常化によるフルタイム状態が続く例も出て、時間給格差の是正を求まましたが、これについては市大の一般職と横浜市の嘱託職員との給与格差の問題と同様、財政事情を理由に交渉自体に応じないという姿勢が続いていました。

 ところが、住居手当の問題と同様にこれも2月24日、短時間勤務の時給をフルタイム勤務の場合と同額に引き上げるという提案が突然示されました。こちらは「同一労働同一賃金」の原則からしてさすがに合理的な説明がつかないことを認めざるを得なかったのだろうとは思いますが、交渉を拒み続けてきた点等について同じく改善を求める回答としました。こちらは何とか問題発生以降3年程度の期間で解決することができました。制度改正の対象となる一般職の皆さんには、とりあえずのおめでとうを申し上げます。

 なお、一般職、有期雇用職員制度については他にも種々の問題が残っています。組合への情報提供、また加入を歓迎します https://ycu-union.blogspot.com/2010/04/blog-post_284.html

2022年3月15日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 小山内 いづ美 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 三井 秀昭

短時間勤務職員の処遇改善提案に対する回答


市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

さて、2月24日付短時間勤務職員の処遇改善提案について、以下の通り回答いたします。

  1. 今回提案内容は、2018年の旧契約職員・嘱託職員制度から現行制度への変更以降、短時間勤務職員の一部で残業が恒常化し実質的にフルタイム職員化しているにも関わらず時間当たりの給与額が異なっているためフルタイム職員よりも支給額が低くなる問題について、短時間勤務の時間当たり給与をフルタイムと同額に引き上げることで解決を求める組合の要求を満たすものであり、これを了承する。

  2. ただし、制度変更時に短時間勤務職員の処遇は継続交渉とすることを確認したにも関わらず過去3年余り、実質的には交渉に応じなかったこと、提案書としての体裁をなしていないこと、実質的な交渉を困難とする提案時期等については今後対応を改めるよう求める。
以上

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