2022年8月11日木曜日

大学部門の一斉休業日について(強制ではありません)

※このニュースは2021年7月30日に公開した内容を今年度用に再編集したものです。元のニュースはこちらからご覧になれます。


 2017年度より導入された大学部門における一斉休業日ですが、今年度の夏季は8月12日と15日に、年末は12月28日に設定されています。

 一斉休業日は過去には局長通知にて、年末は年次有給休暇または振替休暇で取得するよう通知がありました。

 そもそも年次有給休暇については、法律上、労働者の請求する時季に与えられるものとされており(労基法第39条第5項)、雇用者による制限は原則として認められません。

 そのため、昨年度、休暇の位置づけを確認する要求書を提出し、当局から回答を得ています。(詳細は 「大学部門の一斉休業日に関する要求書」と当局側回答 をご参照ください。)

 繰り返しますが、「一斉休業日」は強制的に特別休暇などの休暇を取得させられる日ではありません。他の日に取得したいので「一斉休業日」には休まないとしても一切問題はありません。管理職から休暇取得を強制されるなどトラブルに見舞われている方は組合までご相談ください。

  付言しておくと、組合は「一斉休業日」を設定することに反対はしていません。過去、東日本大震災後の節電が叫ばれた時期に対応の一例として「一斉休業日」を挙げたこともあります。(詳細は 人事給与システム問題、夏季の勤務体制・職場環境、ずらし勤務試行問題に関する協議要求 をご参照ください。)

 この件に限りませんが、曖昧な制度設計や運用を繰り返すことによって組織としての運営コストを増加させていること、職員の心理的安全性を低下させていること、教職員の利益を損ねていることなどが問題なのです。

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大学設置基準改正案 ― 教育研究実施組織と教授会

 30年前の大綱化以降、最大の変更となるであろう大学設置基準の改正案ですが、この稿を書いている8月8日時点ですでにパブリック・コメントが終了、9月7日の大学分科会で改正案が了承されれば、後は文科省の内部手続きで予告通り10月1日より施行されることが確実と思われます。

 今回の改正案は、改正自体は前から予告され、部分的な議論等は質保証システム部会など行われていたものとはいえ、改正案そのものではなく方向性を示す骨子案が最初に示されたのが5月17日の第167回の大学分科会、具体的な改正案が示されたのが次の6月22日の第168回大学分科会、そして次回9月7日の169回で改正案承認の議決を取り中教審としての議決とし、後は省内の手続きだけで改正、告示、10月1日施行という記憶にないスピード改正です。

 主な内容として3点、紹介しておきます。

 第1が、「専任教員」の「基幹教員」への変更。これは「専ら当該大学の教育研究に従事」し「一の大学に限り、専任」である現在の「専任教員」を

①「教育課程の編成その他の学部の運営について責任を担う」
  &
②「当該学部の教育課程における主要授業科目を担当する教員(専ら当該大学の教育研究に従事する者に限る。)」 or ③「当該学部の教育課程における年間8単位以上の授業科目を担当する教員」
を満たす「基幹教員」に変え、その「基幹教員」のうちの「もっぱら当該大学の教育研究に従事するもの」が「必要最低教員数(現在の「基準教員数)」の4分の3以上」を占めなければならない、というもの、言い換えれば4分の1までは「もっぱら」他の組織の業務に従事する者で可とするものです。

 これは、これまで私学団体及び産業界がそれぞれの立場から要求していた「専任教員」に係る要件緩和の要求に応えるものですが、教職員組合などからは「これまでの専任教員の削減や専任教員の労働強化につながる」等の批判が出ています。その他にも、「基幹教員」のハードルがかなり低い ― ①については、現在の実務家教員のみなし専任と同様、具体的には教授会等への参画などですが、全部に参加せよというわけでもないでしょうし、そもそもきちんと参画の実態を確認できるのか、そしてそれで「責任を担う」というほどの感覚を喚起できるのか、②は「月額報酬 20 万円以上を想定」、つまり年間240万というワーキングプア水準でもいい ― ことや、それによって非常勤講師の低コストでの「基幹教員化」などという新たな問題も生じかねないことなどの懸念もあります。オンラインの活用など、うまく使えば厳しくなる経営環境下での教育水準の維持や向上につなげることもできるでしょうが、その逆も可能な制度変更と言えます。

 第2が、設置基準の適用に関する特例制度です。これは簡単に言えば「特区制度」と同じ発想、制度 ― 現在の法制度の枠内でできないことを国に申請し、認められれば特例として法制度の適用を緩和や除外する ― であり、設置基準の制限の下では実現できないという取り組みについて文科大臣に申請、認められれば関係する設置基準の適用の緩和や除外の対象となるというものです。これまた、適切に運用されれば新しい試みと成果などにつながる可能性はあります。一方で、①対象となる範囲が広く、本来設置基準の緩和方向での改正ーあるいはリバタリアン的発想に立つならいっそ完全に自由化してしまう―などで対応するのが筋ではないか、②特区方式ということは「認可する側」の裁量、判断次第ということであり、政府機関の裁量の増大とその判断への依存というのは、民主主義、自由主義と法治主義の組み合わせにとっては決して望ましいことではない、③近年の大学と大学関係者の「態度、志向」から見て、インナー情報と認可可能性の増大を求めて(本当に有効かはともかく)認可官庁の天下りを受け入れようとする動きが出るだろう等が懸念されます。

 そして最後が今回のサブタイトルにした「教育研究実施組織」です。改正案の第3条に「学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるものであつて、教育研究上適当な規模内容を有し、教育研究実施組織、教員数その他が学部として適当であると認められるものとする。」、また第7条に「大学は、その教育研究上の目的を達成するため、その規模並びに授与する学位の種類及び分野に応じ、必要な教員及び事務職員等からなる教育研究実施組織を編制するものとする。」とあり、改正骨子案にある「『教員組織』~について、事務職員等も参画し教育研究活動を行うことを明確化する観点から、『教育研究実施組織』に改め」の通り、これまでの第3条の法文の「教員組織」を「教育研究実施組織」と置き換えたものです。

 さて、ところで「教員組織」とは一般的には「教授会」を指すものと解されています。そして「教授会」については「大学設置基準」ではなく「学校教育法」第93条で規定されているもので、関連して学校教育法施行規則に「代議員会」が規定されています。しかし、今回の改正はあくまでも「大学設置基準」だけで「学校教育法」は改正対象ではありません。

 ということは、素直に解するなら設置基準改正により学部には「教育研究実施組織」を置かなければならなくなるが、一方で学校教育法の「教授会」の規程は手付かずでそのままとなっていることから「学部教授会」も存続する、ということになります。あいにく大学分科会当日は傍聴し損ね、公表資料とパブリック・コメントの資料からのみの判断ですが、そのように解していました。

 ただ、同時にいくつか腑に落ちない点もありました。第1に「なぜ、こんなに急ぐのか」、第2に設置基準の「教員組織」、つまり「教授会」を「教育研究実施組織」に置き換える一方で学校教育法が手付かずというのは片手落ちな感がある、ないしは1つの学部内に2つの組織が併存するわけで非効率では、あるいはどう棲み分けるのだろうか、といった点です。そして第3、これは第2に繋がりますが、改正案の「教育研究実施組織」に関する規定は不十分に思えます。「教員及び事務職員等からなる」ことは書かれていますがその権限等が不明です。例えば、学長であれば学校教育法で「学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する。」(第92条第3項)と定められており、教授会であれば同じく学校教育法第93条第2項、第3項にその権限が列挙されています。

 ただし、この点については、現行設置基準の事務組織に関する規定「大学は、その事務を遂行するため~事務組織を設けるものとする。」(第41条)に照らすと、似たようなレベルの規定の仕方(「大学は、その教育研究上の目的を達成するため~必要な教員及び事務職員等からなる教育研究実施組織を編制」(改正案第7条第1項)と言えないことも無いから、これでいいのだという考え方もあるかもしれません。とはいえ、学部内で似たような人的構成の「教授会」と併存するというのであれば、両者の関係、それぞれの権限を明確にしておかなければ問題が起こるのは当然予想されることで、やはりなんとも落ち着きません。     

 上記のように当日傍聴し損ねたこともあり、誰か傍聴して何か聞いていないか、あるいは何か背景等について知っていないか尋ねてまわったりしたのですが、そのあたりは不明のままでした。ただ、あれこれと議論しているうちに、当初の解釈 ― 同一学部内に「教育研究実施組織」と「教授会」が併存する ― とは別の可能性があることに気づかされました。

 些かトリックじみたアクロバティックな論理になりますが、以下のようなものです。

 第1に、大学設置基準第3条における「教員組織」は「教育研究実施組織」に取って代わられることになります。

 第2に、その「教育研究実施組織」は「教員及び事務職員等からなる」とされています(改正案第7条)。

 第3、学校教育法の教授会に関する第93条各項の規定のうち、第4項には「教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる。」とあります。ご承知のように、学校教育法、大学設置基準等では「職員」という言葉は複数の意味があり、使い分けられています。例えば「学長以下の全教職員」を職員と呼ぶこともありますし、「教育職員」つまり教員を除いた事務職員等を「職員」と呼ぶ場合があります。そして、この学校教育法第93条第4項の「職員」ですが、文科省の行政解釈がどうなっているか、確認しようとしてもこれがなかなか明確な文書としては見つかりません(口頭では昔、関係者にヒアリングしたことはあるのですが、さすがに「根拠」にはできないので)。①しかし、国立大学を含むほぼすべての大学の教授会に関する規定は、教授以外の教員の参加についてはさまざまであるものの、教授、准教授、講師、助教の「教育職員」すなわち教員の範囲としており(文字通りの“若干”の例外あり)、2014年のいわゆる「大学ガバナンス改革」を経てもそのままであること(文科省が行政解釈を変更しているなら、少なくとも国立大学の教授会の「その他の職員」に関する規定、運用が変わっているはず)、②「ガバナンス改革」の折の文科省の「学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会」で、教授会に関して大学振興課長が「学校教育法でいう教授会というのは教員によって構成をされる会議という意味で使っております」「教授会については、専門的知見を持った教員から構成される合議制の審議機関である」と述べていることから、文科省自身も教授会の構成員は教授を中心とした教員と解釈している、と考えて良いと思われます。 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigakug/1353253.htm

 で、そのうえでの話になりますが、法令の行政解釈は行政解釈にすぎないとして、仮にこれを「職員とは学長以下のすべての教職員、つまり事務職員等を含む」と文科省が変更したらどうなるでしょう。

 大学設置基準改正案第3条で「教員組織」に取って代わる「教育研究実施組織」は、第7条で「教員及び事務職員等からなる」とされていました。さらに、学校教育法第93条第4項「教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる。」の「その他の職員」を教員に限定されない、つまり事務職員等を含むと解釈を変更すれば「教授会の組織には、准教授その他の教員、事務職員等を加えることができる。」という意味になります。すると「教員及び事務職員等からなる」(教育研究実施組織)と「教授会の組織には、准教授その他の教員、事務職員等を加えることができる。」(教授会)は構成員が同じ存在となり、教育研究実施組織≒教授会となります。さすがに色々無理はあるのですが、近年、他の政策領域では色々な無茶が行われてきたこと、上記のように考えると「教育研究実施組織」の定義が不十分に思えることや、事実上、大学関係者が反対する時間的余裕がないスケジュールにしたこと(大手メディアでの報道も全くないので、そもそも大半の大学関係者は改正案が出ていることすら知らないのではないかと思います)の辻褄が合ってしまうことなど、論理的な仮説としてはあり得ることではないかと思うのです。安全保障の領域では脅威を「能力」と「意図」という2つの面から評価しますが、ここで言えば学校教育法の「その他の職員」の解釈を変更すれば「教育研究実施組織≒教授会」という「能力」に相当する基盤が成立し、後は「意図」の問題、という構図になります。そして「意図」は容易に変化しうるものとされています(これが軍拡競争をなかなか抑止できない原因の一つなのですが)。

 もう一つ、別の可能性も提示しておきましょう。学校教育法第93条は教授会を「どこに」置くかは規定していません。これもあってガバナンス改革の折、文科省は教授会を置く単位は学部でなくともよい、と繰り返しています。これを今回の話に適用すると、学部には事務職員等を含む「教育研究実施組織」を学部教授会に代わって置くこととし(これなら改正の趣旨そのものに話が合います)、教員のみから成る「教授会」は学部以外の、例えば「全学教授会」のような形で置くようにする、という可能性です。

 どちらにしても色々と問題があって、特に4年前からやっている職員論の共同研究での自分の担当部分 ― 日本の大学の事務職員の本質を、民間企業、官公庁のホワイトカラーと同様の「日本型サラリーマン」(メンバーシップ型)であるという点に求め、その特徴と課題を抽出する ― の暫定的な結論に絡めると非常に心配になるのですが、長くなってきたのでこの辺で。この辺りは機会?気力?があったら紹介したいと思います。

(菊池 芳明)
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2022年6月27日月曜日

就業規則改定案に関する職員組合執行部の見解

  3月23日付組合ニュース【公開版】 から5月9日付組合ニュース【公開版】までの3回に渡って、当局側からの組合に対する5つの提案とそれに対する組合の回答についてご紹介してきました。その後、当局側が合意事項に関連する就業規則の改訂について労基署に届け出る際に金沢八景キャンパス事業場の過半数代表者の意見書の添付が必要な関係で、過半数代表者から職員組合、教員組合に対して改訂案についての見解を明らかにするよう求められ、下記の通りの見解書を作成、過半数代表者に提出しました。

 内容としては5つの提案に対する組合回答の最大公約数的なもので、①いずれも職員の処遇改善につながるものであり、基本的には了承する、②ただし、組合が(当局側との合意に基づき)数年来、交渉を求めてきたにも拘らず当局側が実質的に交渉に応じようとしてこなかった問題が複数含まれていること、今回の提案が実質的な交渉を困難とするスケジュールであったこと(修正を行う時間的余裕がない)などは問題で、今後対応を改める必要がある、③今回の提案、改訂でなお残される問題や運用上の問題が発生した場合などについて、組合から要求があった時は、誠実に対応する必要がある、という3点です。

 過半数代表者からは、同様に意見を求められた教員組合の見解と併せて意見書が作成、当局側に手渡され、すでに労基署に届出がなされています。

 就業規則改定に際しての過半数代表者の意見書は「添付すること」は法的に義務付けられていますが、経営者がその内容に法的に拘束されるわけではありません(労働基準法第90条)。しかし、過半数代表者の意見が尊重されず簡単に無視されるようなことは労働基準法や労働組合法など労働関係法令、制度の本来の趣旨に反するものであり、この意見書の内容が今後の交渉において尊重されるか、今後の交渉を通じ確認していきたいと思います。

就業規則改定案に関する職員組合執行部の見解


2022年5月6日
金沢八景事業場 過半数代表者 藤﨑 晴彦 様

 照会のありました固有職員住居手当等に関する就業規則の改定に関し、職員組合執行部として以下の通り見解を申し上げます。

  1. 今回の改正は、固有職員の住居手当問題をはじめとしていずれも本学教職員の処遇改善や教職員間の処遇格差の是正に関わるものであり、職員組合としても基本的にはこれを歓迎し了承するものである。

  2. ただし、固有職員の住居手当問題、一般職の短時間勤務者の時間当たりの給与額がフルタイム勤務者に比べ劣っていた問題など、職員組合が長期に渡って交渉を求めていた事項に関して、実質的に交渉に応じようとしない期間が長期に渡ったこと、今回の提案が新年度当初からの実施、適用を希望しながら組合への提案は2月末と実質的な交渉を不可能とする時期に提案されたことなどは問題であると考える。繰り返し指摘してきたことであるが、当局側には、法人化により労働基準法、労働組合法等の法令が完全に適用されることになっている点など関係法制の適切な理解、労使対等の原則の尊重などに基づき誠意をもって要求、交渉に臨むよう求める。

  3. また、今回改定でもなお残された処遇の改善や教職員間の処遇格差の是正に係る問題、今回改定された事項の実施に伴う運用上の問題などについて、組合から指摘、要求があった場合、誠実に対応するよう求める。
以上

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2022年5月9日月曜日

不妊治療のための休暇の新設提案に対する回答

 2月24日当局側から提案があり、3月15日に回答を行った事項についてのニュース、今回でようやく最後になります。

 提案された改正内容は国家公務員に導入されたもの、およびそれに準じた横浜市のそれと基本的に同一で、年5日(一部の治療については10日)の有給休暇を認めるというものので、取得単位は1日または1時間、常勤の教職員だけでなく一定の条件を満たした非常勤教職員も対象になります。

 これも現状からの改善であり、それ自体に反対する理由はないため下記の通り受け入れる旨の回答を行いました。

 なお、この提案内容については組合員からも特に意見等はなかったのですが、プライバシーの問題も含め実際の運用の段階で課題が出ることも十分あり得る問題です。そのような場合は組合にご相談ください。

2022年3月15日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 小山内 いづ美 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 三井 秀昭

不妊治療のための休暇の新設提案に対する回答


市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

さて、2月24日付不妊治療のための休暇の新設提案について、以下の通り回答いたします。

  1. 今回提案内容は、国の制度新設に倣って仕事と不妊治療の両立をこれまでより容易ならしめるものであり、提案について了承する。

  2. 制度の運用に当たっては制度の利用者のプライバシーに十分配慮するよう求める。

  3. また、示された提案が提案書としての体裁をなしていないこと、実質的な交渉を困難とする提案時期となった点については今後対応を改めるよう求める。
以上

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2022年4月15日金曜日

一般職短時間勤務職員の年次休暇付与日数の改善提案に対する回答

 前回、前々回に引き続き2月24日に突然多数の提案が当局側から示され、3月15日に回答を行ったものの一つです。

 前々回の組合ニュースの「短時間勤務職員の処遇改善について」、前回の「非常勤教職員の休暇制度の見直し提案に対する回答」でも書いたように、本学の非常勤職員制度の改革は、終身雇用に回帰したという点は評価できるものの、明快で分かりやすいとは言い難い屈折を伴うもので、特に、①「一般職(短時間勤務)」という、短時間勤務で給与も低い「嘱託職員」が、有期雇用から無期雇用という点についてのみ変更されたはずの存在と「一般職(フルタイム勤務)」の関係、②「一般職」とその試用期間的位置づけの、1年契約、最大3年までの「有期雇用職員」の関係、という2点については問題点をはらむものとなっていました。

 その一つが、「有期雇用職員」の年次有給休暇が1年目16日、2年目17日、3年目18日であるのに対して、「一般職(短時間勤務)」の年次有給休暇は勤続年数に関わらず16日とされている点です。「有期雇用職員」は「一般職」の試用期間的位置づけにされているわけですが、「有期雇用職員」2年目に「一般職」への転換が認められた場合は1日分、3年目に「一般職」への転換が認められた場合は2日分、有給休暇がなぜか減ってしまう制度設計になっています。

 今回の当局側提案は、この点について、「一般職(短時間勤務)」の年次有給休暇を、1年目16日、2年目17日、3年目18日、4年目19日、5年目以降20日(年数は「有期雇用職員」時から通算してカウント)と改めることで、一種の逆進性を解消しようとするものです。

 職種による非合理な処遇格差の一部を解消する措置であるので、下記の通り、提案自体については受け入れる、ただし労使交渉の在り方等に関して改善を、とする回答を行いました。

2022年3月15日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 小山内 いづ美 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 三井 秀昭

一般職短時間勤務職員の年次休暇付与日数の改善提案に対する回答


市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

さて、2月24日付一般職短時間勤務職員の年次休暇付与日数の改善提案について、以下の通り回答いたします。

  1. 今回提案内容は、有期雇用職員が一般職の短時間勤務に転換した場合に生じうる年次休暇付与日数の減少を制度面で改善するものであり、提案について了承する。

  2. ただし、育児時間について、既に制度化されている常勤職員においては有給とされているにも関わらず非常勤職員については無給とする根拠は明確ではなく、処遇格差解消の観点から今後再検討を行うよう要望する。

  3. また、示された提案が提案書としての体裁をなしていないこと、実質的な交渉を困難とする提案時期となった点については今後対応を改めるよう求める。
以上

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