2018年6月29日金曜日

学習会「横浜市立大学の特色ある入学者選抜 ~英語資格要件と多様な特別入試~ 」、「政府主導型大学再編と横浜市立大学 -中央教育審議会大学分科会審議状況から- 」開催報告

組合ニュース(公開版)で既報の通り、5月16日6月14日、そして6月20日に学習会を開催しました(6月14日及び6月20日については教員組合と共催。6月20日の回については6月14日の内容の簡略版です)。

5月16日は、組合副委員長の出光が「横浜市立大学の特色ある入学者選抜 ~英語資格要件と多様な特別入試~ 」と題して、①国内における大学入試の類型、国公立大の入試等の日本の大学入試の全体像の概要と②横浜市大における特別選抜の英語要件の整備、AO入試や指定校推薦入試の概要、国際バカロレア入試の導入等の取り組み、そして③横浜市大アドミッションズセンターの機能・役割について紹介しました。

6月14日及び6月20日については、組合書記長の菊池が「政府主導型大学再編と横浜市立大学 -中央教育審議会大学分科会審議状況から- 」と題して、①高等教育政策が教育政策という独立した政策領域の一つというよりは経済産業政策の一部となっている、法令によらない首相直属の有識者会議が次々と設置され短期間で高等教育政策の大枠を決定、文科省や中教審はその具体化のための細部の検討や実行のための機関という位置づけが強くなり、高等教育政策の「外部化、大量・高速処理化」が進んでいる等の近年の構造的特徴と、②2月、3月に中教審大学分科会の将来構想部会及び制度・教育改革ワーキングに提示された「大学進学者数将来推計」、「人材養成の3つの観点」、「大学等連携推進法人(仮称)」という3つのアジェンダの概要と疑問点、そしてそれらを組み合わせると政府主導による大学再編の構図が浮かび上がり、公立大学も当然対象に含まれること、また、首相直属の人生100年時代構想会議の資料によれば、その開始は2020年とされていることなどを紹介しました。

参加者は5月16日の回が12人、6月14日は8人、6月20日が14人でした。久方ぶりの開催となったこともあって参加者はかなり少ないだろうと見込んでいたのですが、蓋を開けてみると予想を超える盛況となりました。

第1回の予告に書いたように(執行委員である大学専門職2人の雇用労働環境が未だに不安定な状態であることもあり)、定期的、継続的な開催は難しい状況なのですが、特に高等教育政策については、学習会の開催前後の6月13日から15日にかけて首相直属の有識者会議、そして閣議で重要な決定が相次いでおり、可能な範囲での再度の開催も考えてみたいと思います。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ

2018年6月1日金曜日

住居手当問題に関する要求書

20代、30代の法人固有職員の住居手当については、2014年度の横浜市における引き上げを受けて、それ以降、延々と交渉を続けてきました。昨年度は給与体系自体の変更、評価制度の変更、非常勤職員制度の変更と大きな交渉が続き、結果的には住居手当に関する交渉を行う余裕がなく、市職員との月額での差が10100円(この4月より9600円)という状態が続いてきました。上記の各種案件が一段落したため、改めてこの問題についての交渉再開を要求したものです。

実際の交渉再開までは若干の時間がかかる見通しですが、交渉の状況については随時、組合ニュースや職場集会を通じてお知らせしていきます。

2018年5月24日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 二見 良之 様
横浜市立大学職員労働組合 執行委員長
横浜市従大学支部 支部長 三井 秀昭

住居手当問題に関する要求書

市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

さて、標記の件については、横浜市における2014年度の市人事委員会勧告-20代、30代職員の住居手当をそれまでの9,000円から18,000円に引き上げる-を受けて、以後3年以上に渡って断続的に交渉を行ってきました。

本年4月よりの20代、30代の固有「総合職」に関する500円の引き上げでこれらの職員の住居手当は月額で10,000円となりましたが、横浜市における20代、30代職員の住居手当は、2016年度の市人事委員会勧告に基づきさらに1,600円引き上げられ月額19,600円となっており、大きな格差が生じています。また、2017年1月以降においては、交渉項目に一応住居手当の取り扱いも含まれていたものの、給与体系の変更、人事評価制度の変更等についての交渉に忙殺され、実際には住居手当に関する交渉は行われませんでした。

2016年8月31日及び2016年11月29日の住居手当は継続協議事項とするとの合意に基づき、この問題に関する協議を再開するよう求めます。

以上

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ

2018年度第2回学習会「政府主導型大学再編と横浜市立大学 -中央教育審議会大学分科会審議状況から-」のお知らせ(職員組合・教員組合共催)

今年度第2回の学習会についてご案内します。

昨年3月、文科大臣から「概ね 2040年頃の社会を見据えて,目指すべき高等教育の在り方やそれを実現するための制度改正の方向性などの高等教育の将来構想」についての審議が中教審に諮問されました。それ以降、大学分科会の下に設置された将来構想部会、制度・教育改革ワーキングを中心に多数かつ多岐にわたる事項についての審議が急ピッチで行われています。

昨年の12月28日付で将来構想部会の名前で、一旦、「今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理」が取りまとめられ公表されていますが、その後も審議は続き、6月中に中間まとめ、秋には答申が行われることが予告されています。

上記のように、審議されている事項は多数かつ多岐にわたるのですが、「論点整理」から現在までの5か月の間に出て来た項目で注目すべきものとして「大学進学者数将来推計」「人材養成の3つの観点」「大学等連携推進法人(仮称)」が挙げられます。

このうち「大学進学者数将来推計」については2月の組合ニュース(公開版)で少し触れましたが、推計と言っても進学率と18歳人口の双方について推計するのではなく、まず進学率の上限を設定し、その条件下で過去のトレンドに基づき都道府県、男女別に進学率を計算、それを18歳人口推計値にかけ合わせて進学者数を算出するという「計画」や「政策的想定」に近い性格のものです。これに国公私全ての大学が(大学単位か学部、研究科といったより下部の単位かは未確定ですが)3つの中から選択する「人材養成の3つの観点」、一般社団法人という登記だけで簡単に設立できる既存の枠組みをそのまま流用し「共同教育課程」、「学生の転学を含めた法人全体での支援」、「入試業務の共同実施」、「事務の共同実施」、「産学連携のワンストップサービス」等々の機能を持たせることが予定され、資金面でも財産の拠出による基金の設立や収益活動が可能な「大学等連携推進法人(仮称)」とを併せると、先進国としては類例のない政府の主導下における大規模な大学再編や分野、定員等の整理といった展開までが可能となる枠組みが浮上してきます。会議資料には出ていませんが、一部報道によれば「大学等連携推進法人(仮称)」の運用開始は2020年を目指しているとのことです。国立大学の「一法人複数大学化」も同じく一部報道で2020年からとされており、政府としては大学再編の始動を2020年と考えていることが伺えます

今回は、この中教審大学分科会の部会、WGにおいて展開されている3つの検討項目について紹介するとともに、(中教審も含めた)文科省における検討の大枠が外部で予め決定されている近年の高等教育政策の特異な構造的特徴とその志向性についても取り上げ、今後の展開とその中での横浜市大の将来と課題について参加者の皆さんと共に考えてみたいと思います。

なお、今回は職員だけでなく大学の構成員全体に関わる、しかも相当に深刻なテーマであるため、教員組合に共催を呼びかけたところ、ご賛同をいただいたので両組合共催での学習会となります。また、1時間のフルバージョンと30分の簡略版(こちらは「大学進学者数将来推計」、「人材養成の3つの観点」、「大学等連携推進法人(仮称)」についての紹介と今後の政策的展開に重点を置き、高等教育政策の構造的特徴についてはごく簡単にするか省略の予定です)の2回を用意しました。ご都合や関心に応じて選択ください。

日時、場所は下記の通りです。


【日時・場所】

6月14日(木) 18:45~19:45
金沢八景キャンパス 文科系研究棟2階 第2会議室

6月20日(水) 12:15~12:45(こちらは簡略版です)
金沢八景キャンパス 職員組合事務室

  • 資料準備の都合上、「6月14日(木) 18:45~19:45」の回については、6月12日(火)までに ycu.staff.union(アット)gmail.com までお申し込みください。
  • 「6月20日(水)12:15~12:45」の回については、6月18日(月)までにycu.staff.union(アット)gmail.com までお申し込みください。また、この回に限り、6月15日(金)までに参加申込みの「職員」の方について、組合で弁当を用意します。
  • 組合事務室の場所については、http://ycu-union.blogspot.jp/2015/09/916.html をご参照ください。
にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ