2020年2月4日火曜日

アルバイトの定年年齢の設定について(回答)

1月15日、これまでアルバイトについて定年が設けられていなかった点について、70歳を定年とするよう要綱の改正を行いたいとの提案があり、下記の通り了解する旨の回答を行いました。なお、今回の要綱も含め、規程以下のレベルで設定されているルールに関して、そもそも何があるのか判らない、存在は分かっていてもどこにあるのか判らない、そのため内容も不明といった問題が存在しており、過去にそれが交渉上の障害になったこともあって、その点につき改善するよう求めました。

2020年1月30日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 二見 良之 様
横浜市立大学職員労働組合 執行委員長
横浜市従大学支部 支部長 三井 秀昭

アルバイトの定年年齢の設定について(回答)

1月15日付で提案のあったアルバイトの定年年齢の設定について、以下の通り回答します。


アルバイトの定年年齢について70歳とする当局側提案について了承します。

なお、今回の要綱も含め、規程以下のレベルで制定されている人事関係の諸ルールについてはその透明性やアクセシビリティに問題があり、学内からのアクセスと内容の確認が容易となるよう改善を強く求めます。

以上

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本学の財務状況と職員の処遇に関する質問書への回答 ― 組合の警告通りの赤字転落、そして教職員人件費へのつけ回しの懸念 ―


昨年7月29日、横浜市大の財務状況と職員の殊遇に関し当局側に質問書を出していましたが、1月23日、ようやく当局側から説明がありました。

質問のポイントは、

①「法人財政の悪化」を口にしつつ、中期計画は大幅な組織・施設の拡大政策を取っており、国公立大学の場合、これは(私学とは異なり)収入増以上の支出増につながる可能性が高いが、拡張路線に伴う支出に関し計画策定段階で本来必要なレベルの検討がなされておらず、事後的になし崩しの支出が進められているのではないか

②「働き方改革」に対応した超過勤務の縮減の影響

③ 附属病院におけるいわゆる「無給医問題」の影響(AERAの1月27日号にこの問題についての記事があり、横浜市大も含めて「無給医」に給与を支払った場合の附属病院経営への影響に関する推計値が出ています。それによれば横浜市大は約6700万の純利益から約12億3千万の損失へと転落するとされています。ただし、この数値は「無給医」の範囲を最大限に取った場合のもののようで、大学側は逆に最小限に取っていると思われます。)

④ 以上を踏まえた固有職員人件費の状況とそれらに基づく今後の方針

です。

1月23日に担当課から行われた説明の概要は、

①については、学部再編、データサイエンス研究科の新設、救急棟などについて、市からの交付金には未計上で、市の援助なしでやっていかなくてはならない、

③については、全教室の実態調査を行ったうえで今年度分は人件費として支出、昨年度分も支払い、損失として計上した、

④については、①も含め財務状況は厳しく、令和元年度の法人決算も赤字の見込みであり、固有職員の給与、賞与については市並みでやってきたもののそれが限界で、組合が要求している手当までは難しい

というものでした(②についての説明はありませんでした)。

以上の説明で特に驚きだったのは、何年も前から組合が指摘、警告していた通り、①現行中期計画における組織、施設の拡大路線が本当に設置者である横浜市との財政負担についての合意と裏付けなしに実行されており、かつ、②それがやはり組合の懸念通り財政悪化に拍車をかけていたという点です。

「予測しておいて今さら何を驚くのか」と言われるかもしれませんが、予測は、あくまでも断片的な公式情報から組合役員の大学専門職が専門的知見と過去の経験に基づき「そう考えるのがもっとも辻褄が合う」と判断したものであり、同時にやはり通常の公立大学運営の在り方から「いくらなんでもそれはあり得ないだろう」と最終判断を留保していたものでした。

組織も施設も一度作ってしまえば、通常10年単位で多額の支出が続くものです。だからこそ、決定の際には財政的な見通しについて可能な限りの検討を行うのが通常の(大学に限らない)経営の在りようです。「財政的な見通し、手当ては後廻しにして作ってしまおう」、そして次に「支出増分は設置者に交付金増を交渉しよう」、それがダメとなると「自己負担でやるしかない、財政悪化だ」というのは、高等教育セクターの縮小が現実化しようとする外部環境下において、あっていい話ではありません。まして、次に予想されるのは「それ以外の所を削ろう」であり、今回の④の説明にあったようにその一部は、まさに固有教職員の処遇(具体的には固有総合職の住居手当と一般職、有期雇用職員の給与など)です。

もう一つ、経営のモラルハザードも懸念されます。上記の「財政的な見通し、手当ては後廻しにして作ってしまおう」、そして次に「支出増分は設置者に交付金増を交渉しよう」、それがダメとなると「自己負担でやるしかない、財政悪化だ」という一連の流れは、戦略的な経営という観点から言えばひどいと言うしかないものです。しかし、それぞれを細分化、分節化すると、「短期間で組織の設置をやり遂げたのは素晴らしい」、「困難な状況下で市と一生懸命交渉を行った」、「悪化した法人財政を立て直すために果敢に支出カットに取り組もうとしている」という、あべこべの高評価を行う可能性が出て来ます。まるで旧帝国陸海軍のような話(戦略レベルはお話にならず、目先の作戦レベルに血道を上げる)ですが、現実にはどうもそちらの論理で動いているのではないかという懸念を禁じ得ません。マッチポンプのような話ですが、その場合、ツケを回されるのは一般教職員です。

引き続き、責任を持った経営と固有職員の処遇改善の実現を求めて交渉を継続します。

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