2021年10月7日木曜日

10月からの金沢八景キャンパスにおける36協定について

 9月27日、金沢八景キャンパス過半数代表者と当局側との間で10月1日からの金沢八景キャンパスにおける新しい36協定が締結されました(現在、金沢八景キャンパスには労働者の過半数で組織される労働組合がないため、労働者代表としての過半数代表者を選出し、その過半数代表者が36協定の締結、就業規則改定時の意見書の作成等にあたっています)。

 過半数代表者から36協定締結に際して職員組合に意見が求められましたが、これまでのものと同じ内容であり、協定締結自体に関しては問題はないと考えると回答しました。

 因みに現在の協定の内容のうち、第7条第1項の通常の残業上限時間を超える一時的、突発的な残業を行う場合の業務の具体的列挙(以前は当局側は第7条での具体的業務の列挙を拒んでいました)、同じく第7条2項のその場合の労働者の健康・福祉の確保のための措置は、職員組合が数年にわたり指摘、要求を続けた末に勝ち取ったものです。

 なお、他のキャンパスについても過半数代表者と当局側の間でそれぞれのキャンパスにおける36協定が締結されているはずです。基本的には金沢八景キャンパスと同様の内容ですが、異なる部分もキャンパスによってはあります。36協定は単に締結するだけではなく、わかりやすい場所に掲示するなどの方法で労働者に周知されることが必要とされています。本学の場合、基本的に学内ネット上に置かれていることになっていますので、金沢八景キャンパス以外の方は各自でご確認ください。

時間外労働及び休日労働に関する労使協定書

 公立大学法人横浜市立大学(以下「法人」という。)と金沢八景キャンパス事業場の職員の過半数を代表する者(以下「八景キャンパス事業場過半数代表者」という。)は、労働基準法第36条第1項に基づき、時間外労働及び休日労働に関し、次のとおり協定する。

(定羲)
第1条 この協定において「時間外労働」及び「休日労働」とは、次に掲げる労働をいう。
(1) 時間外労働とは、法定労働時間を超えて行う労働及び勤務を要しない日に行う労働をいう。
(2) 休日労働とは、法人職員就業規則第40条に規定する休日に行う労働をいう。

(時間外労働・休日労働を必要とする場合)
第2条 法人は、次のいずれかに該当するときは、時間外労働又は休日労働を命ずることができる。
(1) 対外的事由により、法定労働時間内にその業務の実施が不可能なとき
(2) 入学試験、就職等の学生支援業務が集中し、法定労働時間内の勤務では処理が困難なとき
(3) 入学試験関連業務を行う必要があるとき
(4) 契約等により時期の限られた業務を実施する場合であって、作業を予定どおり進捗又は完了させるとき
(5) 専門的な技術、知識、経験等を必要とする業務を行う場合であって、その業務の処理を他の職員に代替させることができないとき
(6) 災害又は災害発生のおそれのある時など、臨時に作業を行う必要があるとき
(7) 各種システムの運用、操作等を行わなければ法人の運営に支障がでるとき
(8) 緊急を要する施設管理・補修のための業務を行う必要があるとき
(9) 決算に関する計算及び書類作成を行う必要があるとき
(10) 月内、期末等の経理事務等が繁忙なとき
(11) 各種行事又は会議の資料作成及びその他行事・会議開催に係る業務を行う必要があるとき
(12) その他前各号に準ずる事由が生じたとき
2 職員は、正当な理由がある場合には、時間外労働及び休日労働を拒むことができる。

(時間外労働及び休日労働を必要とする業務の種類及び職員数)
第3条 時間外労働及び休日労働を必要とする業務の種類及び職員数は次のとおりとする。
(1) 事務系職員 169 人
(2) 技術·医療技術系職員 8 人
(3) 医務系職員 2 人
(4) 教員 l35 人
(5) 非常勤職員 29 人
(6) 非常勤教員 16 人

(延長することができる勤務時間数)
第4条 この協定によって延長することができる勤務時間数は、次のとおりとする。
(1) 1日につき4時間
(2) 1か月につき45時間以内
(3) 1年につき360時間以内

(勤務させることができる勤務を要しない日及び休日数)
第5条 この協定によって延長できる、勤務を要しない日及び休日(以下「休日等」という。)数は1か月につき4日以内とする。

(休日等勤務の時間数の限度)
第6条 前条の規定により休日等に勤務させることができる時間数は、1日の休日等につき8時間以内とする。ただし、必要と認められる場合には第4条第1項第1号で定める1日の延長時間の範囲内において延長することとするが、第4条の各号の延長時間には算入されない。

(限度時間を超える時間外労働)
第7条 法人は、第2条第1項各号に掲げる業務に従事する職員のうち、一時的又は突発的に第4条に定める限度時間を超えて業務を行う必要がある場合であって、その業務が次号に掲げる事由に該当する場合には、労使の協議を経て、年6回を限度として、第4条各号に関し1か月80時間まで及び1年につき720時間まで延長することができる。
(1) 入学試験、定期試験、卒業・進級判定に関する業務
(2) 学部設置認可申請・届出に関する業務
(3) 緊急を要する学生への対応業務
(4) 予算・決算業務
(5) 3月・4月の採用・退職手続き及び年末調整業務
(6) 大規模災害の発生時対応
(7) 重大な施設(電気、機会、機器等)のトラブル対応
(8) 大規模な施設の改修
(9) 大規模なシステムの改修の業務
(10) 臨時かつ緊急対応が求められる市会業務及び外部機関への対応
(11) 公的機関による立入調査のうち臨時に実施されるものへの対応
(12) 時限的なプロジェクトに関する業務
(13) 国・県等の補助金事業への申請・事業報告等の対応
2 前項を適用した場合において、法人は当該職員の健康・福祉の確保のため、次の各号に掲げる措置を実施する。
(1) 保健管理センターによる相談
(2) 産業医等による助言・指導や保健指導

(時間外労働の割増賃金率)
第8条 時間外労働の時間数が1か月45時間を超えた場合又は1年360時間を超えた場合の割増賃金率は2割5分とし、1か月60時間を超えた場合の割増賃金率は5割とする。

(育児又は家族の介護を行う職員の時間外労働等の制限)
第9条 第4条、第5条及び前条の規定にかかわらず、育児又は介護を行う職員が請求した場合には、法人職員の育児・介護休業等に関する規程第20条、第20条の2及び第21条の規定により、時間外労働及び深夜勤務を制限する。

(有效期間)
第10条 この協定の有効期間は、令和3年10月1日から令和4年3月31日までとする。

令和3年9月27日

横浜市立大学理事長 小山内 いづ美

横浜市立大学金沢八景事業場労働者過半数代表者 山根 徹也

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36協定締結にあたっての過半数代表者の意見書

 前述のように、組合としては現在の36協定の内容自体には反対していないのですが、その前提となる職員の勤務体制、具体的には在宅勤務の在り方に関しては、1年半以上に渡って問題があるものとして改善を求める要求を繰り返しています。
(関連する組合ニュースの量が多すぎて全部にリンクを張るのは大変なので、こちらからご確認ください。

 しかしながら、当局側は横浜市の制度以上の対応を行うことは拒み続けており、コロナ禍下においても基本的に出勤しての勤務を基本としていた市職員に対して、事実上、経営者、管理職等の意向による在宅勤務が続いた市大職員という違いを無視した制度設計と運用は実態との大きな乖離を生んでいて、極めて問題です。このため、過半数代表者に対して「36協定自体は問題ないと考えるが、前提となる職員の勤務の在り方、具体的には在宅勤務に関連した制度設計・運用には大きな問題があるにも関わらず、当局側は実質的な交渉を拒み続けており、その点につき過半数代表者から当局側に見解を示していただけないだろうか」と要望し、その結果、過半数代表者から9月27日の協定締結時に下記の意見書が当局側へ手渡されました。

横浜市立大学理事長 小山内 いづ美 様

36協定締結にあたっての意見書

横浜市立大学金沢八景事業場労働者過半数代表者 山根 徹也

 日ごろのご尽力に敬意を表します。

 さて、すでに職員組合・教員組合から要望が出ておりますが、在宅勤務の枠組みについての就業規則を検討していただきたきたいと考え、36協定の前提ともなる事柄であることから同協定締結にあたって、この意見書を提出させていただきます。

 要望は以下のとおりです。

 現行の就業規則では、勤務体制の在り方について、新型コロナ禍下での、実際には法人や上司の指示、意向に基づく在宅勤務であるにも関わらず、「個人的事情に基づく職員自身の願い出による在宅勤務」と位置付けられており、内容上「個人的事情による在宅勤務の希望を特に許可しているのだから、在宅勤務に関わる経費は職員本人が負担」としているのは勤務実態と乖離しています。

 この問題について、職員組合が1年以上に渡って繰り返し制度の改善、経費の法人負担を要求しているにも関わらず、同組合に対してはできないという口頭回答のみがあったほかは、その後は同組合との交渉に応じようとしないことは極めて遺憾であります。さらに、就業規則上の規定なしに在宅勤務時の経費を職員の自己負担とし続けていることは、違法行為の疑いが強いことを指摘せざるを得ません。

 本事業場の労働組合、特に職員組合との誠実な交渉を行い、事態の改善に取り組むよう要求します。

(以上)

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