2013年12月16日月曜日

横浜市立大学改革はどこへ行くのか -中教審組織運営部会審議まとめ、 学長中心、教授会権限、高度専門職、SD-

 12月24 日の中教審大学分科会で最終的にオーソライズされるため、現時点ではまだ案ですが、12月5 日の大学分科会組織運営部会において、日本の大学に非常に大きな影響を及ぼすことになるであろう審議まとめが提示されました。安倍政権の発足以降、グローバル化の問題を中心に高等教育政策に関する検討が急ピッチで進んでいますが(その一部については本年7 月4 日付の組合ニュース【公開版】でご紹介していま
す)、今回の組織運営部会審議まとめは、大学のガバナンスのあり方についての法令改正を含めた改革案を提示するものです。

 形式的には、中教審の、分科会の、そのまた部会の半年あまりの検討のまとめでしかありませんが、内容的には、国立大学法人制度、地方独立行政法人制度(公立大学法人制度)というガバナンス改革の系譜に直接連なり、さらにそこから踏み込んで各大学内部の制度、ルール、運用にまで改革を迫ろうとするものであり、中教審答申に匹敵するか、見ようによってはそれ以上の重要度を持つものと言えます。先日発表された「国立大学改革プラン」と並んで、来年度以降の日本の大学のあり方を(良し悪しの問題とは別の話として)大きく規定するものとなるでしょう。

 内容は、一言で言えば教授会権限を限定、予算・人事を含め学長に権限を集中し、かつ学長を補佐する体制を整備するという方向性により、大学のガバナンスを強化することを目指すというものです。これまでもこの種の議論や答申等はありましたが、法令改正を行ってでも現実化するという決意、さらには各大学には学則レベルだけでなく規程レベルまで踏み込んで、そのような趣旨に反する内容になっていないか検証と整理を求めるという点でこれまでの対応とは一線を画すものとなっています。

 このまとめ自体に関してもいろいろと書きたいことはありますが、ここでは、この審議まとめと横浜市立大学の関係について触れたいと思います。

 ご承知の通り、横浜市立大学は平成17 年の法人化時に理事長・学長に極端に権限を集中するガバナンス形態を採用しました。具体的には、例えば教授会権限については、「入学、進級、卒業、休学、復学、退学、除籍、再入学、転学、転学部、転学科、留学、学士入学等学生の身分に関すること」及び「学部運営会議から付議された、その他学部の教育に関すること」という2 点に関する審議権のみ(学則第77 条)で、しかも「代議員会の議決をもって、教授会の議決とする。」(学則第76 条2 項)とされ、金沢八景の本キャンパスでは4月に1回開催され、「総て代議員会に委任する」ことを決議するだけの存在となっています。また、理事長、学長を補佐すると同時にそのガバナンスをチェックする機能を持つはずの理事会は設置されていません。学外には公開されていませんが、規程集を見ると「理事長が別に定める」という言葉が頻出しており、組合の各種交渉の過程でもそれが具体的にどう定められているのか明らかでなく問題になることが一度ならずありました。一体誰が決定権を持っているのかはっきりせず、それはつまり理事長が決定権を持っているのだろうと考えるしかないことも多々あります。

 では、このような「横浜市立大学法人化改革」と今回の審議まとめの関係について見ていきましょう。

 第一に、今回の審議まとめは、教授会権限について「①教育課程の編成,②学生の身分に関する審査,③学位授与,④教員の教育研究業績等の審査等」に関する「審議権」としています(P28)。これらについて、どのように具体化するかについては部会の中でも意見の違いがあり、最も強硬な企業委員の主張では学校教育法を改正し、そこに上記のように教授会の審議権として①~④を具体的に列挙するよう求めています。今回はそこまでは踏み切るという話にはならず、先送りされたと理解していますが、仮に来年度以降そういうことになった場合、限定列挙ですので一般の大学の場合はこの4項目に教授会権限が限定されることになります。しかし、横浜市大の場合、上記のように逆に権限が②の学生の身分のみになっているので、①、③、④を教授会に戻さなければならないことになります。最も強く教授会権限を制限する方向になった場合、横浜市大では逆に権限が返ってくる。何とも皮肉な話です。

 第二に、学長補佐体制の一環として、これまでの大学の構成員「教員」、「事務職員」に加え「高度専門職」の創設を求めています(P18)。これは、横浜市大における「大学専門職」とほぼ同じものです。「大学専門職」は、法人化された横浜市大の初代理事長となるはずだった故孫福弘氏(慶応大学教授、大学行政管理学会初代会長等)によって新たな法人経営・大学経営の担い手として本来は構想されたものと思われますが、横浜市関係者により現在では事実上廃止されてしまいました。

 一連の経緯については、本学教員組合のニュースに寄稿したものがありますので、ご関心の向きにはそちらをご参照ください(教員組合週報2011.05.18 「横浜市大における大学専門職の創設と変遷」)。さらに辞職した大学専門職による告発本も出版されてしまっています。文科省は、年度内に大学設置基準を改正、「高度専門職」を制度化するとしています。力ずくで大学専門職制度を潰した本学では、この制度改正にどう対応するのでしょうか?そ知らぬ顔で、新たに「高度専門職」を設けるのでしょうか?

 第三に、文科省は「SD」についても「高度専門職」の問題と同様に年度内に大学設置基準を改正、正式に位置付けるとしています。この職員育成、能力向上という問題は、横浜市大というよりは公立大学の多くに共通する課題といえます。法人化前の公立大学においては、事務局は平均 3年程度で
ローテーションする設置自治体の職員により構成されていました。このような在り方は、①大学経営は自治体の本来業務でないがゆえに、自治体職員は大学経営に関する知識、経験を持っておらず、仮に熱心に勉強したとしても 3 年後にはその人は異動してしまい、部署としての知識、経験はリセットされてしまう、②自治体の本来業務でなく、3年後には異動する可能性が高い業務に対して最低限以上のエネルギーを割くことは個人レベルで見た場合必ずしも合理的でなく、大学職員としての必要な知識を積極的に身につけようとする等の正のインセンティブが働きにくい、③同様の理由で、大学に対するロイヤリティも生まれにくく、それが教員、学生との関係にも影響する等の問題を抱えていました。法人化後も多くの公立大学においては管理職は設置自治体からの出向であり、この問題は持ちこされています。また、法人化後、採用が可能となった固有職員に関しても、上記のような構造的問題の下、国立、私立並の職員を養成するという法人としての確固とした人事方針が存在しない限り、人材育成に資金と時間を割くことはなかなか認められません。結果、OJT を中心に加えて設置自治体の研修の利用による人材育成というパターンになるのですが、書いたように管理職の多くは依然として設置自治体からの出向で、大学職員としての経験年数は 0~3年程度です。業務による違いはありますが、OJT の効果も限定的にならざるをえません。設置自治体の研修にしても、この 10 年で急速に高度化を迫られた大学経営のニーズに充分に対応できるものではありません。横浜市大の場合、固有職員全員任期制という制度の下、問題は一層深刻です。職員組合は一貫して固有職員に対して「大学職員」としての適切な SD を行うよう求めて続けており( http://ycu-union.blogspot.jp/2011/11/blog-post_25.html )、さらに任期制廃止交渉の中でも SD の全体像について明らかにするように要求しているところです( http://ycu-union.blogspot.jp/2013/07/blog-post_4.html )。過去数年、はかばかしい成果は得られていませんが、せっかく文科省が大学設置基準への位置づけという新たな梃子を用意してくれるのであれば、有難く活用させてもらおうと思います。

 他にもありますが、今回の審議まとめは大学ガバナンスの極めて広範な領域にわたるもので、数頁で書ききれるものではなく、この程度にしたいと思います。職員の皆さんには、是非、全文を精読するようお勧めします。企業委員の主張に沿った部分、私学経営者の立場に配慮した部分、高等教育
研究者の意見を考慮した部分等々、様々な見解、主張が合成されたものであり、そういう意味で分かりにくい面も多々ありますが、そういった要素も含め非常に重要でかつ勉強になると思います。
(菊池 芳明)

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2013年12月4日水曜日

職場集会開催のお知らせ

 職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。

八景キャンパス: 12月19日(木) 12:05~12:55
 (本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

福浦キャンパス: 12月18日(水) 12:05~12:55
 (医学研究棟 A209号室)

*会場の関係で福浦キャンパスが先の18日(水)、金沢八景キャンパスが後の19日(木)といつもと順序が逆になっています。ご注意ください。

前回10月の職場集会以降の組合の活動状況、特に任期制廃止問題と本校舎耐震改修後の組合事務室問題に関する交渉の状況を中心に、各職場の近況、課題についての情報交換等を予定しています。非組合員の方の参加も歓迎します。飛び入り参加も可能ですが、12月16日(月)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。事前申込は、ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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2013年11月13日水曜日

横浜市立大学職員労働組合2013-2014年度活動方針について

 11月7日、本年度の横浜市立大学職員労働組合の大会を開催して2013-2014年度の活動方針を決定しました。相変わらず問題は問題として根本的には解決されないまま積み残っていくため、項目としては基本的に昨年度と同様です。主に任期制廃止問題と組合事務室問題について、この1年の状況の変化や新たな問題の発生に合わせて記述を修正しています。

職員労働組合・横浜市従大学支部 2013-14年度 活動方針

1.働きやすい職場環境の確保への取り組み
 社会環境の激変とそれに伴う大学への要求の多様化、公的助成の削減など日本の大学を巡る環境は年々厳しさを増しています。特に横浜市立大学においては、前市長の下における法人化決定以降、全員任期制の導入、国立大学の比ではない大幅な経費の削減、市OB・市派遣幹部職員への経営権の集中による無駄な業務の増加と現場負担の増大など、非常に不安定な大学経営が続いています。大学に働く職員の職域を代表する労働組合としてこれらの問題に取り組み、職員の労働環境の改善、安心して働ける職場の確保に全力を挙げます。

2.組織拡大への取り組み
 法人化以降、市派遣職員の引き上げ・退職に伴う組合員の減少が続いていましたが、常勤・非常勤の固有職員の加入により減少に歯止めがかかりそうな様子も見えてきました。とは言うものの、大学にとどまっている市派遣職員は漸次退職を迎え、固有職員の組合員については、事務系職員及び大学専門職は全員任期制で雇用の継続が不安定な状態が続き、嘱託職員・契約職員には雇止めの問題があるなど組合の維持・拡大は依然として容易ではない状況です。近年の嘱託職員や契約職員問題への取り組みや組合ニュース【公開版】を通じた情報提供、問題提起等によりプロパー職員の組合に対する信頼・期待は高まっていますが、これを組合員・組織の拡大へとつなげていく必要があり、これまで取り組みの遅れていた派遣会社からの派遣社員も含め、新規の組合員の獲得に取り組みます。また、ずらし勤務の導入や業務の多忙化で難しくなっている組合員相互の交流を確保・促進し、組合の基盤を強固なものとします。

3.任期制廃止への取り組みと労働契約法改正への対応
 附属病院の医療技術職を除く全教職員への任期制の導入という国内でもほとんど例のない人事制度は、人材の流出、職場のモラールの低下等、大学に問題しかもたらしていません。引き続きその廃止を求めるとともに、任期制と表裏一体の関係にある評価制度の運用の透明化、公平性の確保などに取り組みます。
 固有職員の退職が相次ぎ職場に定着しないことに関しては横浜市の大学調整課、大学当局とも問題として認識し、かつ、その原因の一つとして全員任期制があることは否定せず、また、労働契約法改正への対応の必要性も認めていますが、その一方で、職員組合及び教員組合の双方がそれぞれ行っている任期制廃止要求については、交渉が進展しない状態が続いています。任期制廃止に向けて一層強力に取り組みを進めていきます。

4.嘱託職員、契約職員雇止めの廃止への取り組み
 この問題については、職員組合の取り組みの結果、任期更新が終了した嘱託職員について、引き続き嘱託職員が必要であると認めた業務に関しては、雇止めになる嘱託職員の再応募を認める等の措置を取るという運用上の変更を勝ち取ることができました。しかしながら、昨年度、ついに業務の廃止を理由とした雇い止めが発生しており、また、再応募の結果採用された嘱託職員についても給与、賞与、休暇等の処遇がリセットされるという問題点が存在しています。引き続きこれらの改善を求めていくと共に、常勤職員と同様、雇止め自体の撤廃へとつなげるよう取り組みを進めます。

5.大学専門職の雇用問題への取り組み
 大学専門職制度は、国内の大学関係者等の大学職員の高度化(アドミニストレータ化)への要請に対する先進的取り組みとして導入されたものでしたが、法人化直後から大学の経営権を事実上掌握した市派遣幹部職員によって、その趣旨を無視した制度運用が行われ、さらに、契約更新を迎える個別の大学専門職に対して、「大学専門職の廃止が決まった」(学内にはそのような情報は一切明らかにされておらず、事実かどうかすら不明です)などとして一般事務職への身分の変更か退職かを迫るという不当行為が行われ、このような不透明な行為の結果、本学の運営に関する告発本が出版される事態にも至っています。昨年度来の取り組みの結果、組合執行委員でもある大学専門職2名の雇用と身分はとりあえず維持されましたが、職員の高度化や専門化とは相反する人事政策上の動きは続いており、大学専門職自体僅か3名にまで減少させられた中、その身分や業務の安定性の確保、専門職としての評価の問題などの課題は引き続き残っており、今後も取り組みを継続します。

6.コンプライアンスに基づく労使関係確立への取り組み
 度重なる交渉や組合ニュース【公開版】等を通じた指摘がある程度の影響を及ぼした模様で、法人化後の数年間の状況に比べれば担当者レベルでの対応に関してはある程度の改善が認められるものの、法人化後、事実上人事権等を掌握する市派遣幹部職員の労働3法、労働契約法を始めとする関係法令、制度等への知識・認識の不足が本学の労使関係の底流を流れており、それが人事制度、制度運用、個別の雇用関係トラブルに大きく影響を与えています。関係法令及びそこで保障された労働者・労働組合の権利の尊重に基づく労使関係の確立を求め取り組みを続けます。

7.組合事務室使用問題
 組合事務室に関しては、一昨年度末に大学当局側より突然、「4月以降の組合事務室の使用について、賃貸借契約化したい」等の申入れがあり、その後、同様の申入れを受けた教員組合とも連携しつつ交渉を継続、最終的に労使対等の原則に立った確認書を交わし、また、光熱水費についても電気量の実費相当額の支払を行うことで合意して、一応の決着を見ました。
 しかしながら、10月に入って、今度は職員組合、教員組合が共同で使用している組合会議室について、「耐震改修後、組合会議室についてはその面積約20平米の半分、約10平米ずつを職員組合、教員組合の両事務室に加算し、組合会議室自体は廃止したい」との説明があり、さらに改修後の両組合事務室のレイアウトの提示がなされました。本来、いずれも両組合と協議して決定すべき問題であるところ、当局側は既に実施設計段階で変更の余地はほぼないという態度を取っています。教員組合とも連携の上、適切な対応を求めていきます。

8.横浜市従本部、教員組合等との連携
 本学の労働環境は、全員任期制等、法人プロパー教職員にとって非常に厳しい状態が続いています。横浜市従本部、教員組合や病院組合等との連携を深めつつ、山積する問題に取り組んでいきます。

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期末一時金について

 今年度の期末・勤勉手当が決定しました。昨年度と同様、2.075月分が固有職員、嘱託職員、市派遣職員に対して支給されます。期日は12月10日です。ただし、支給月数は変わりませんが、ご承知のように市派遣職員、固有職員とも来年3月までの給与引き下げ中で月額給与が下がっているため、受取額はその分減少することになります。また、契約職員の方に関しては、(毎年書いていますが)その他の処遇も含め実態に合わせて常勤職員待遇とするよう求めていますが、今年も改善はされませんでした。引き続いて改善のための取り組みは続けていきます。

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2013年9月24日火曜日

固有職員給与引き下げ提案への回答について

 9月17日の組合ニュース及び7月以降の組合ニュースでお伝えしてきましたが、固有職員の給与については、7月に「市派遣職員、固有職員ともに8月1日より年3月31日まで、横浜市職員と同率(月額給与及び賞与について、一般職員は3.79%、係長級は6.79%)で引き下げ」という内容での当初提案があり、その後、市派遣職員とは切り離して交渉ということになり、9月17日に「11月1日より来年3月31日まで、賞与も含め横浜市職員と同率で削減」という再提案が提示されました。

 また、7月の当初提案に対して組合が行った回答における要求についても、同日、事務局長名で文書による下記の回答がありました。

【要求】 固有常勤職員の給与引き下げの理由として、提案では「法人の一般職員の給与につきましても、法人化以降、横浜市に準じた給与制度・水準としてきていることから、今回、市派遣職員同様、横浜市に準じた措置とすることを提案します」としているが、上記のように、横浜市は大学等に対して直接給与カットの要請は行わないことを明らかにしており、また、総務省が横浜市を始めとする各自治体に行ったような給与カット要請額相当分を地方交付税から差し引くといった措置も取られていない。設置自治体からの要望もなく、大学運営交付金のカットも行われていない状況で、なぜ「独立」法人である横浜市立大学の職員に対して給与カットを行わなければならないのか、提案ではその判断についての充分な根拠が示されているとは言い難い。法人としての独自の経営判断というのであれば、改めて合理的で説得力のある根拠を提示するよう求める。

【回答】 法人職員の給与は、法人化当初から横浜市に準じた給与形態や給与水準としており、以降横浜市の給与改定に準じて規程改定を行い、現在に至っています。市派遣職員との均衡を保つうえでも、横浜市同様の減額措置を実施したいと考えています。ご理解いただきますよう、おねがいいたします。

【要求】 今回の職員給与削減を実施に移した場合、当初予算人件費に対して剰余金が発生することとなるが、その使途について説明を求める。

【回答】 現時点では未定ですが、今後、横浜市とも協議のうえ、大学運営の充実に当てていきたいと考えています。

 *上記に加え、口頭で「教職員個々人へ還元するのではなく、大学全体で活用する方向」という趣旨の説明がありました。


 組合執行委員会で検討の結果、法人経営のそもそも論としての「なぜ、横浜市から要請も無い状況下、独立行政法人である横浜市立大学において給与引き下げを行わなければならないのかの根拠」という点に関して充分な説明が行われたとは言えないものの、当初提案に比べ引き下げ期間を3ヶ月圧縮できたこと、また、固有職員の給与形態及び給与水準が横浜市に準じるものであることが再確認されたことを評価し、基本的に了解することとして、先週9月20日、組合としての回答を手渡しました。ただし、関連して要望事項2点をつけています。

 回答の詳細は下記の通りです。

 なお、対象は固有職員のうち常勤職員だけで、非常勤職員の方は含まれません。

平成25年9月20日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 田中 克子 様
横浜市立大学職員労働組合
委員長 三井 秀昭

固有職員給与引き下げ提案について【回答】

 9月17日に再提案された固有職員の給与引き下げについて、以下の通り回答します。

  1. 独立行政法人として給与引き下げが必要とされる理由について、充分に説得力のある根拠が示されたとは言い難いが、交渉の結果、当初提案に比べ引き下げ期間が3ヶ月間圧縮されたこと、また、固有職員の給与形態及び給与水準が横浜市に準じるものであることが再確認されたことを評価し、今回提案内容について基本的に了解する。

  2. しかしながら、回答において「市派遣職員との均衡を保つ」と謳っているにも関わらず、固有職員と横浜市派遣職員との間には、「全員任期制」という処遇上の重大な不均衡が存在している。固有職員の任期制については、昨年度来、組合がその廃止を要求し現在も交渉を継続しているところであり、退職者、休職者の相次ぐ現状を直視し、誠意をもって交渉に臨むよう強く求める。

  3. また、給与引き下げにより発生する剰余金については、漫然と費消するのではなく、「職場諸要求」や個別交渉を通じて組合が要求している職場環境・労働環境の改善や他大学、特に私立大学連盟加盟校に比べ著しく劣弱な職員の能力開発(SD)支援に充てるよう求める。
以上
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職場集会開催のお知らせ(再掲)


 職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。

八景キャンパス: 10月3日(木)12:05~12:55
(本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

福浦キャンパス: 10月2日(水)12:05~12:55
(研究棟2階 A209号室)

*会場の関係で福浦キャンパスが先の2日(水)、金沢八景キャンパスが後の3日(木)といつもと順序が逆になっています。ご注意ください。

 前回6月の職場集会以降の組合の活動状況の報告や給与引き下げ問題、任期制廃止要求などの懸案の状況、各職場の近況、課題についての情報交換等を予定しています。非組合員の方の参加も歓迎します。

 飛び入り参加も可能ですが、9月27日(金)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。事前申込は、ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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2013年9月6日金曜日

大学運営交付金に関する横浜市長への要求と解説

 8月28日、職員組合の上部団体である横浜市従業員労働組合(横浜市従)から横浜市長に対して来年度予算等に関する要求書が提出されました。大学に関しては、昨年度までとほぼ同様の内容ではありますが、記述を修正、4つの問題点に整理・集約しました。具体的には以下の通りです。 

横浜市従業員労働組合2014年度予算要求

〈大学〉

 市立大学においては、①第1期、第2期の中期計画開始時及び中期計画期間全体での大幅な交付金の削減、②第1期中期計画期間における、ほぼ毎年の交付金の予定額からの大幅削減、③各年度予算の市OB・市派遣幹部職員による執行段階での使用の抑制、④大学の教育研究活動の特質について十分な理解を持たない市OB・市派遣幹部職員による、実際のニーズと必ずしも適合しない年度予算編成など、不安定かつ縮小的な大学運営と適切な資源配分の不足により、教育研究活動に大きなダメージを受けている。はるかに少額の削減しか受けていない国立大学においてすら、法人化以降、教育研究への負の影響が出ていることがマクロデータで確認されつつあり、市大の教育研究の向上を真に望むのであれば、①運営交付金の削減に歯止めをかけ、②毎年の交付金額も安定させると共に、③執行段階での削減を大学の名で市OB・市派遣幹部職員が行うようなやり方を改め、④現場の教員・固有職員の声を反映させた適切な予算編成を行うこと。


 解説

①:平成17年度の法人化以前における市から大学への経費投入については、大学のHPにはデータは一切残っていません。横浜市の方には平成14年度以降の予算が残っているので(http://www.city.yokohama.lg.jp/zaisei/org/zaisei/yosan/)、そちらを参照すると、平成14年度が大学の自己財源(授業料収入、病院収入等)を除いた市からの繰入金が242億8千万円、平成15年度が262億1千万円、平成16年度が250億9千8百万円となっています。これに対して、法人化された平成17年度の横浜市から大学への運営交付金は142億6百万円と前年度に比べ一気に100億以上円、率にして40%以上(!)減額されています(以下、法人化以降のデータは横浜市立大学「財務情報」http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/corp/finance/finance.html の各年度決算報告書等に基づくものです)。

 また、平成17年度から平成22年度までの第1期中期計画期間全体での運営交付金の予定総額は781億8千6百万円、平均すると1年当たり約130億円で、平成14年度から16年度までの繰入金の平均、年間約252億円に比べ120億以上の減となっています。

 さらに平成23年度から始まっている第2期中期計画について見ると、平成23年度から平成28年度までの6年間での運営交付金の予定総額は677億2千3百万円、第1期中期計画に比べ総額で約100億円、率にして約15%の減となっています。

 国立大学法人が毎年約1%という、横浜市大に比べれば無いに等しいとも言える運営交付金の減額で苦しんでいることを考えると、この削減がいかに凄まじいものか判ります。

 運営交付金の削減による影響に関して一例を挙げると、研究面についての話になりますが、国立大学法人を中心とした運営交付金の削減と「選択と集中」の促進が日本の高等教育機関の競争力に如何に深刻な影響を与えているかという点について、元三重大学学長で現鈴鹿医療科学大学学長の豊田長康氏が、ブログ等で量的データに基づき繰り返し指摘を行っています(http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/fbfd543bc72e5bc7815f77174bb39529)。

 以上の結果、平成23年度で見ると横浜市立大学の総収入に占める横浜市からの運営交付金の割合は約18%にまで低下しています。マスプロ教育を行わないと経営的に存続が厳しい日本の私立大学の経常経費に占める国の補助金の平均割合が約10%(http://www.shigaku.go.jp/s_kouhujoukyou.htm)、やや古いデータですが、国立大学のうち医学部を有する中規模大学群の経常収入に占める運営交付金の割合が平成18年度で30%以上(http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/mat150j/idx150j.html)、 日本の大学改革のモデルとして持ち出されることも多いカリフォルニア大学の経常収入に占める州政府の交付金の割合が2008-2009年度で約22%(http://www.zam.go.jp/n00/n000i007.htm)などとなっています。

②:上記のように、中期計画段階での交付予定総額の削減だけでも大変なものなのですが、実際には、各年度の横浜市の予算編成段階で、中期計画で予定されている交付予定金額からさらに削減が行われています。第1期中期計画に関しては、横浜市財政当局の横浜市従に対する予算説明の場で「第1期中期計画期間の各年度の市からの運営交付金は毎年均等に交付される」という説明があり、これは計算すると毎年約130億円の交付があることを意味するはずですが、実際には、平成17年度が約142億円、18年度が約129億円、19年度約120億円、20年度約123億円、21年度約123億円、22年度約113億円と平成17年度を除き予定額を下回り、特に最終年度である平成22年度においては予定額より17億円も下回る交付額となっています。第1期中期計画期間の総額では、予定交付額781億8千6百万円に対して実際の交付金の総額は749億1千9百万円、32億6千7百万円が削減されています。因みに、第2期中期計画に関しても同様に毎年の交付金が均等に交付されるのか横浜市財政当局に対して確認を行いましたが、最終的にこちらは回答が得られませんでした。

③:また、当初交付予定額から縮小された各年度の予算自体もそのまま執行されるわけでなく、理事長、事務局長、財務、経理の管理職が横浜市OBあるいは横浜市派遣職員という状況下、現場の創意工夫によるのではなく、地方行政の専門家ではあっても大学経営は門外漢であるはずの横浜市OBおよび横浜市派遣管理職による上からの指示、判断により執行が抑制されています。結果として毎年40億から60億程度の利益剰余金が発生し、 平成17年度から23年度までの利益剰余金の総額は325億円に達します。そのうちの少なからぬ額が、法人化時に大学の資産とはされず横浜市が所有したままのはずの校舎の立替え、耐震改修に投じられるようです。

④:さらに、横浜市立大学においては教授会の権限が大幅に抑制(学生の身分に関する事項のみ)され、予算も含め経営者に大幅に権限が集中した経営形態が取られています。もちろん経営者自身が細かい問題まで自身で決定や執行を行うわけではないので、実際には経営者および事務局幹部に権限が集中しているわけですが、その大半は地方行政の専門家ではあっても大学経営は門外漢であるはずの横浜市OBおよび横浜市派遣管理職です。教育研究に関して、何が重要なのか、何が節約できるのか等の判断に必要な知識、経験を欠いた人達にただでさえ減っていく予算の編成と執行の実権が集中しているため、教育研究の現場に大きな問題が発生しています。



 このように、横浜市からの運営交付金の問題を始めとして、横浜市大の予算とその執行には4段階に渡る巨大な問題が存在しています。教育も研究も基本的に単年度では完結しない営為であり、例えば学士を送り出すまでの教育は4年単位、研究もあるテーマの研究が1年で終わるということはまずありません。年を追うごとに厳しくはなっていくだろうがそれがどの程度かは判らない、さらには減少する経営資源の範囲内でせめて合理的である保障もない経営環境は、単年度で完結しない教育研究という営為を疲弊させずにはいられません。そして、大学は教育研究機関であり、その経営とはつまるところ教育研究をどうするかということに他ならず、教育研究が上手く行っていないということは大学経営が上手く行っていないということです。市長へ要求書を出せば簡単に解決するような問題ではありませんが、今後も取り組みを続けていきます。

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職場集会開催のお知らせ


 職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。

八景キャンパス: 10月3日(木)12:05~12:55
(本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

福浦キャンパス: 10月2日(水)12:05~12:55
(研究棟2階 A209号室)

*会場の関係で福浦キャンパスが先の2日(水)、金沢八景キャンパスが後の3日(木)といつもと順序が逆になっています。ご注意ください。

 前回6月の職場集会以降の組合の活動状況の報告や給与引き下げ問題、任期制廃止要求などの懸案の状況、各職場の近況、課題についての情報交換等を予定しています。非組合員の方の参加も歓迎します。

 飛び入り参加も可能ですが、9月27日(金)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。事前申込は、ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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2013年7月4日木曜日

任期制廃止についての協議に関する追加要求書について

 本学の全員任期制(横浜市派遣職員、医療技術職員除く)については、2月28日に法人の設置者である横浜市長に対して「横浜市立大学における任期制廃止に関する要請」を、さらにその際の市の担当課とのやり取りも踏まえ、3月5日には法人理事長に対し「任期制廃止についての協議要求書」を提出、法人に対し協議を求めてきました。

 その後、5月に1回目の協議を行ない、当局側からは、①雇用契約法の改正を受け、任期制の廃止も含めて対応を検討している、②ただし、検討スケジュールも含め具体的なことは現段階では決まっていない、という説明がありました。

 組合としては、任期制の廃止も含めた検討が行われるようになったことは、これまでの金科玉条の如く任期制を扱う姿勢と比べれば大きな前進であり評価するものの、当局側の検討をただ待つのではなく、検討そのものを組合側が参画した形で行うよう求める趣旨で追加の要求書を提出することにしました。

 また、検討の前提として法人化以降の職員の採用と退職の状況についての情報開示を要求するとともに、組合としての最終目的はプロフェッショナルとしての職員集団の形成とそれを通じた大学と職員集団の存在意義の確立にあり、そのためには任期制の廃止による職員の身分と雇用の安定だけでなく職員の適切な育成・支援体制の確保が不可欠であることから、併せてSDの現状についても包括的、具体的に明らかにするよう求めました。

 詳細については、以下をご覧下さい。

2013年6月20日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 田中 克子 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長(支部長) 三井 秀昭

任期制廃止についての協議に関する追加要求書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 さて、3月5日付で提出した「任期制廃止についての協議要求書」に関しては、①当局側として雇用契約法の改正を受け、任期制の廃止も含めて対応を検討していること、②ただし、検討スケジュールも含め具体的なことは現段階では決まっていないこと、という2点についての説明を受けたところです。

 5年を経過した場合の有期雇用から無期雇用への転換権の確立という抜本的な制度改正を受け、廃止も含めた対応を検討している点については、これまでの任期制は絶対に維持するという姿勢に比較すれば前進であり、評価します。

 しかしながら、全員任期制は本学の職員確保上、巨大な負の影響を及ぼし続けてきた問題であり、組合としては、その今後について当局側の結論をただ待ち続けるという姿勢を取る事が望ましいと考えることは出来ないことから、以下の通り、改めて要求します。
  1. 雇用契約法改正への対応に関する検討については、任期制の廃止も含め、当局側が方針、成案を決定した後に組合側に提示するのではなく、検討段階から組合が参画し、労使双方による検討を行うよう求める。
  2. 任期制の対象となっている職員のうち、契約職員・嘱託職員に関しては契約更新回数の上限が定められており今回の法改正との関係での問題が予想されるが、この点についてはどのように考えているのか、説明を求める。
  3. 検討に当たって、任期制採用後の実態を把握するため法人化以降の各年度の固有職員(常勤職員、契約職員、嘱託職員、大学専門職)の採用状況(採用数、年齢・性別構成、大学職員経験者数)とその年度別退職者数を明らかにするよう求める。
  4. 組合が任期制廃止を求める趣旨は、任期制という固有職員の定着と成長を妨げている不安定、不透明な人事システムを取り除き、大学の存在目的である高度な教育研究を通じた社会への貢献に寄与しうるプロフェッショナル集団を形成することを通じ、大学と職員集団の存在意義を確立することにある。その実現のためには、職員の身分、雇用の安定化と同時にプロフェッショナルとしての職員の適切な育成・支援体制の確保が不可欠であり、検討の前提として本学のSDの現状について包括的、具体的に明らかにするよう求める。

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大学教育のグローバル化と文科省 -グローバル人材養成は自己責任で?-

 文科省の高官の話が聞けるというので某所に出かけた時のことです。

 行ってみると、事前予告とは少し違って教育のグローバル化についての話になっていました。

 大学教育のグローバル化やグローバル人材養成については、周知の通り、近年、大学改革の主要なテーマであり、特にここ1,2年は他のテーマが埋没してしまうほど「グローバル化」、「グローバル化」の大合唱になっている観があります。

 ところが、「グローバル化」や「グローバル人材」とは何なのかという点は、実のところあまり明確になっているとは言えません。

 中教審大学分科会等での議論を聞いていても、「グローバル人材とは何か、具体的に明らかになっていないのでは?」といった疑問が何度も(主に教育学者から)出ましたが、曖昧なまま「とにかくやらなければならないのだ」ということで、それ以上の議論にはならないという展開が続いていました。

 折角の機会なので、「グローバル人材といっても一つではなく色々なタイプがあると思うが、具体的にどのような能力をどの程度持った人材がどの程度必要、というようなことは文科省として明らかにしているのか、していないのなら今後やる予定は?」と尋ねてみました。

 件の高官の答は、「グローバル人材の類型については、例えば内閣府のグローバル人材育成推進会議でまとめている。文科省としては、人材類型や必要な数を示したりはしていないし、その予定も無い。各大学がそれぞれの置かれたポジションに応じて、どのようなグローバル人材が必要か自ら判断して、各大学でその人材の養成を行って欲しい」というものでした。

 この答自体は、特に驚くようなものではありません。

 経済的需要等に係る問題であり文科省単独での守備範囲を越えるだけでなく、未だに解決の目途が立たない「大学院生倍増計画」、「ポスドク1万人計画」等による理系を中心とした博士人材養成の大失敗や(主たる責任が文科省にあるのかは疑問ですが)法科大学院問題など、文科省にとっては、人材の計画的養成や需要予測は慎重にならざるを得ない鬼門であろうと思われるからです(因みに、上述のグローバル人材育成推進会議「グローバル人材育成戦略」には多少の記述はありますが、とても充分なものとは言えません)。それに、護送船団の時代はとうに終わっている、というのもあるでしょう。

 ただし、その上で問題ではないかと思われる点もあります。

 第1に、昨年の中教審答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」や先々月から先月にかけて集中的に策定、発表された「第2期教育振興基本計画」、「これからの大学教育等の在り方について」(第三次提言)、「日本再興戦略」等の政府、文科省の政策文書においては、そのような話 -グローバル人材の具体的な能力に基づく類型や需要について文科省は明らかにしない、各大学がそのポジションに応じ自己判断、養成するもの- は、はっきりとは指摘されていないという点です。政策方針に関する情報提供としては、いささかバランスが悪いように思えます。

 第2に、ただでさえ経営上の余裕に乏しく、社会から集中砲火を受けているように感じている日本の大学の多くの経営者が、マスメディアによって媒介、増幅された「とにかくグローバル化」という声に浮き足立ち、「国策」に則り「バスに乗り遅れるな」とばかりに「グローバル化 ≒ 英語と留学」と考えて(考えるのを止めて?)走り出そうとしているように見える点です。

 以上の2つを併せると、現実に起こるのは、文科省が期待するような「各大学が、そのポジションに応じて」、適切に「必用なグローバル人材の具体的な能力を判断し養成する」ことではなく、とにかく英語化された科目数と留学生数を(質の問題を放り出してでも)一刻も早く増やそうとする、悪い意味での performance measurement への辻褄合わせであるかもしれません。

 その場にいたのは、国立大学の幹部を中心とした数十人でしたが、その他の大学の関係者に同じような話を聞く機会があるのかどうかは分かりません。まあ、国立大は色々な場があるのだろうとは思いますが、公私立大、特に公立大学はどうでしょうか。

 個人的には、現在の「グローバル化」や「グローバル人材養成」については、①日本人にとって母言語からの距離が大きい英語の学習は他の学習とトレードオフの関係にある、②ユニバーサル段階を迎え、さらに中等教育の成果が大学入試に強く規定されるという特異な構造の影響もあり、グローバル化以外の問題のほうが日本の高等教育全体としては(卒業後の長い職業人生活を考えても)より重大ではないかと思える、③総理の大学国際ランキングを巡る発言や与党幹部のTOEFLの入試や卒業での利用に関する発言等、単純な誤解などに根ざしていると思われる言説も多い等々から、もう少し冷静、慎重であるほうがいいと思います。浮き足立っている時に考えることにはろくなものがないでしょう。最悪の場合、現在の「グローバル化狂想曲」は「中途半端な通訳未満人材」を国を挙げて量産するような結末に至るかもしれません。もしそうなった時、その責任は大学と個人に帰せられることになるのでしょうか。
(菊池 芳明)

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2013年5月20日月曜日

平成25年度事務職員採用試験案内について

現在、本学Web上に平成25年度の事務職員採用試験の案内が掲載されています。
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/recruit/25jimu-saiyou.html

 本学の現在の職場環境や雇用の問題については、過去の記事を見ていただくとして、今回の採用試験案内の記述について、一箇所、労働組合の立場から指摘しておきたいと思います。

「2 勤務条件」の「(4)雇用契約」のところに「(※定年退職までの無期労働契約への転換制度を導入予定。)」とあります。

 本学は法人化以降、横浜市派遣職員、病院の医療技術職員を除き全員任期制を採用しており、我々職員組合、また教員組合も任期制の廃止を要求しています。
2013年3月13日 任期制廃止に関する法人理事長への協議要求書
2013年2月28日 任期制廃止に関する横浜市長への要請書

 また、これも度々お伝えしてきたように、昨年、雇用契約法が改正され、有期労働契約(任期制)が5年を超えて反復更新された場合、無期労働契約(いわゆる終身雇用)に転換できることになりました。
2012年8月2日 改正労働契約法案と有期労働契約(任期制)について
2012年11月14日 職員組合・教員組合学習会 「改正雇用契約法の概要と課題-無期労働契約(終身雇用)転換ルールと横浜市立大学の全員任期制-」開催のお知らせ

 その意味で、現在本学が任期制を採用していることは事実であり、かつ法令改正への対応を検討しているそうなので、書かれていること自体は別に嘘ではありません。

 ただし、本学が任期制を維持しようがしまいが本学規則より上位にある法律が改正された以上、採用後5年を経過すれば任期制の有無に関わらず無期雇用への転換権が生じ、その権利が行使された場合、大学側はこれを拒否することは出来ません。その意味で今回の記述は些か片手落ちではあります。教員公募に関してもほぼ同じ表現が使われており、教員組合が既に声明を発表しています。
http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/

 もう一点、こちらは逆に安心できない方の話ですが、では5年待ちさえすれば総ての問題が解決するかというとその点は現時点では不明です。昨年11月の組合ニュースでお伝えしたように、法人の設置者である横浜市より課せられた中期目標に基づく中期計画に人件費比率の目標値が定められており、昨年度時点でこれを上回っている可能性が高く、つまりこれ以上人件費を増やすわけにはいかない状態にあるからです。悪くすると、5年以前の契約更新段階での選別強化や無期雇用転換権を行使した職員は一定以上昇進できないなどの運用に繋がる危険性も否定できません。
2012年11月21日 横浜市立大学における事務局職員体制の現状等について(1) 人件費比率の呪縛

 また、本学の職員システムが(意図の有無に関わらず)固有職員が次々と辞めていくことを前提にしたものになってしまっている可能性もあります。もしそうだとすると、これを基本的に職員が定年まで辞めずに能力を向上させていき、給与も上がっていくシステムにと変えていく必用もあります。これも容易なことではありません。

 職員組合としては、これらの問題も念頭に置きつつ今後の当局との交渉に臨んでいく予定です。

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職場集会開催について

【5/22:開催日を訂正しました】

 久しぶりの職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。

福浦キャンパス: 6月5日(水)12:05~12:55
 (臨床研究棟2階 A209号室)

八景キャンパス: 6月6日(木)12:05~12:55
 (本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

 1月の職場集会以降の活動状況報告、情報交換等を予定しています。現時点では情勢が不明確なのですが、給与引き下げの問題について最新の情報をお伝えするようにしたいと考えています。非組合員の方の参加も歓迎します。

 飛び入り参加も可能ですが、6月2日(金)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。申込は ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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2013年3月13日水曜日

任期制廃止に関する法人理事長への協議要求書

 前回の組合ニュース【公開版】(2月28日)でお伝えした通り、横浜市の林市長に対して、本学の公立大学法人化時、横浜市によって導入された全国的にも殆ど例の無い全員任期制を廃止するよう要請を行いました。「要請書」であって「協議要求書」ではないので市との間での協議は行っていませんが、市側の窓口である大学調整課に対する趣旨説明の際に、多少の遣り取りがありました。

 その際、大学調整課からは「『独立』行政法人になったのだから、そういった問題は大学自身で判断すべきこと」、「市としては市が示す中期目標の範囲で市大側に大学を運営してもらっていて、市の側から中期目標で任期制をやってくれとは示していない」などの反応があり、それに対して組合側から「大学自身でと言っても、大学の理事長以下の経営陣や幹部職員の多くは横浜市OBか横浜市派遣職員ではないか」と質すと、「その通りだが、市OBや市派遣管理職に対して逐一指示を出しているわけではない」という答がありました。

 確かに現行、更には法人化時の第1期中期目標においても「任期制」については、全く記述がなく、法人の憲法に当たる定款においても同様です。「任期制」に関する記述があるのは、中期目標に基づき法人が作成、市長の認可を得る中期計画のレベルであり、更にそれは教員と大学専門職についてのみで、一般の職員の任期制に関しては中期計画においても一切触れられていません。

 確かにその意味では、任期制の維持の可否は制度的・形式的にまずは法人側の裁量の問題であり、その点につき市側の窓口である大学調整課からも確認が取れたので、改めて法人理事長に対して、任期制廃止について組合と協議を行なうよう要求書を提出しました。具体的な内容は下記の通りです。交渉自体について拒否はしないことも既に確認されていますので、今後、協議があり次第、その内容についてこの組合ニュースを通じてお知らせしていきます。

2013年3月5日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 本多 常高 様
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長(支部長) 三井 秀昭

任期制廃止についての協議要求書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 ご承知の通り、平成17年4月の公立大学法人化以降、横浜市立大学は、横浜市派遣職員、医療技術職員を除く全教職員に1~5年の任期制を適用するという全国にもほとんど例の無い人事制度下にあります。この全員任期制は、「教育研究活動等の活性化を図る」(「横浜市立大学の新たな大学像について」平成15年10月29日)という名目で導入されたはずでしたが、現実にはその逆の状況を招いています。

 全員任期制は、アメリカの大学の人事システムに対する誤解、大学を含めた日本の雇用労働システム全体の特質に関する認識の不足、他大学との人的資源確保上の競争という観点の欠如、かつての“事務員”としての大学職員とは質的に異なる職員の確保が必要になっているという大学経営の高度化に対応した人材確保の必要性への理解不足、任期更新の前提となる業績評価の公平性、客観性の確保の困難性及び民間企業セクターにおける教訓への無理解等々に根ざしたものであり、結果として、本学は大学の存在目的である教育研究活動の源泉たる人材確保の面で著しい不利益を被っています。

 ことに固有職員に関しては、退職者、休職者が後を絶たないため、それが職場環境の悪化につながり、更なる退職、休職へと繋がるという悪循環に陥りつつあり、加えて、プロフェッショナルとしてのより高度な能力を身につけることを望む職員が他の私立大学等へと転職するケースが相次いでいるという深刻な事態に至っています。このままでは、経験と能力を備えた人材を十分に確保することは半永久的に困難なままであることを強く危惧します。

 今般、労働契約法の改正に伴い、5年を超えて雇用契約の反復更新がなされた場合、有期雇用(任期制)から無期雇用に転換されることが法的に定められ、これにより任期制を維持する根拠は実質的に消滅しました。このため、職員労働組合として、改めて本学の人材確保、職場環境・労働環境の確保等に重大なマイナスをもたらしている任期制の廃止について協議を行なうよう要求します。

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2013年2月28日木曜日

任期制廃止に関する横浜市長への要請書

 昨年の雇用契約法改正により、5年を超えて雇用契約の反復更新がなされた場合、有期雇用(任期制)から無期雇用(終身雇用)への転換を求めることができるようになりました。これにより、本学の全員任期制を維持する実質的な意味、根拠は消滅しました。

 この雇用契約法の改正を踏まえ、教員については、先日、当局側から教員組合に対して任期制の変更(廃止ではありません)が提案され(教員組合ニュース第11号)、これに対して教員組合が意見書を提出、更なる説明を求めている段階です(教員組合ニュース第12号)。 しかしながら、職員に関しては、これまでのところ当局側から任期制の廃止や見直しにつながる動きは一切ありません。

 この違いは、一つには教員と職員の違い、即ち、法人化により大学に対するコントロールが劇的に強化され、かつ大学自体にも理事長以下、大量の横浜市OB、派遣管理職が直接送り込まれたものの、教育研究活動それ自体は横浜市OB、派遣管理職が出来るわけではなく、結局のところ教員に依拠せざるを得ないという現実に求められるかもしれません。そして、その教員の流出と新規応募数の激減という状況は学内の誰の目にも明らかです。

 これに対して職員の場合、一見、地方公務員による業務の遂行が難しいことではないように思われる(実際には、横浜市職員は地方行政のプロではあるかもしれませんが大学経営のプロでは決してなく、両者の違いは無視できるレベルのものではないのですが)ことから、教員とは違って現場の固有職員はいくら辞めていっても別に問題はないと考えられている可能性があります。こちらも、実際には市OB、派遣管理職の数を増やし、かつなし崩しに事務局の肥大化を進めても更に混乱が拡大しガバナンスの向上にはつながっていないという現実があるのですが、教員を巡る問題とは違い、現実を直視しないという選択も今のところあり得る段階ではあります。

 もう一つ、昨年11月21日付の職員組合ニュース【公開版】で触れたように、現行の中期計画における附属病院を除いた人件費比率53%未満という、医学部の教員を含めた数値としてはかなり無理な基準の存在が影響している可能性があります。つまり、任期制を廃止、ないし事実上廃止すれば、どのような根拠で算定されたのかよく分からない、この数値目標の達成が更に危うくなる可能性があり、固有職員には人件費調節のバッファーとしての余地を残しておきたいという思惑が存在しているかもしれません。

 上記のような当局側の思惑がいかなるものかはともかくとして、任期制がこのまま存在し続けた場合、改正雇用契約法による無期雇用への転換権が発生する直前の段階での雇い止めや不透明な基準による選別、雇用水準の引き下げなどが発生し、雇用労働環境の更なる悪化という法改正の意図するところとは逆の状態が生まれる可能性があります。それに本学の現状は、改正雇用契約法による無期雇用への転換が現実化する5年後を待っていられるような状況にはありません。

 そのため、2月25日、横浜市従本部と連名で、法人の設置者である横浜市の林文子市長に対して任期制の廃止を求める要請書を提出しました。内容は以下の通りです。

 また、これと並行して大学法人の理事長(前横浜市副市長)に対しても、任期制の廃止について交渉を要求する予定です。

2013年2月25日
横浜市長 林 文子 様
横浜市従業員労働組合
中央執行委員長 菅野 昌子
横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長(支部長) 三井 秀昭

横浜市立大学における任期制廃止に関する要請

 横浜市政の発展と市民サービスの向上に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 平成17年4月の公立大学法人化以降、横浜市立大学においては、横浜市派遣職員、医療技術職員を除く全教職員が1~5年の任期制の下にあります。

 しかしながら「教育研究活動等の活性化を図る」(「横浜市立大学の新たな大学像について」平成15年10月29日)という理由で導入されたはずの全員任期制は、実際にはその逆の状況を招いています。

 横浜市従業員労働組合及び横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)は、法人化以降、その弊害を指摘し任期制の廃止を求め続けてきました。今般、労働契約法の改正により、5年を超えて雇用契約の反復更新がなされた場合、有期雇用(任期制)から無期雇用に転換されることが法的に定められ、これにより、任期制を維持する根拠が実質的に消滅したものと判断し、法人の設置者である貴職に対して、以下の理由も挙げ、改めて大学における任期制を廃止するよう強く要請するものです。

 まず第1に、そもそも国内における大学改革を巡る他の多くの言説と同じく、「任期制」もまたアメリカにおける制度やシステムに関する誤解に影響を受けています。アメリカの大学では教員に関しては、「テニュア制」と呼ばれる人事制度が一般的であり、これは5年程度の任期付雇用の後、業績審査を経て終身雇用契約(テニュア:定年の無い文字通りの終身契約)に移行するというもので、横浜市立大学でいう「任期制」とは全く別のものです。また、職員に関しても、アメリカの大学の国際競争力を支える源泉の一つである専門職員(横浜市立大学の「大学専門職」がこれに相当しますが、現経営陣の下、大学専門職は実質的に廃止される寸前の状況にあります)は基本的に任期付の契約ですが、これはアメリカ社会におけるホワイトカラーの一般的な契約形態を反映したものであり、独り大学の専門職員のみが任期付契約を一般化しているわけではなく、人的流動性の高さに対応する雇用労働システム・社会システムの存在を前提として機能しているものです。さらに、現実にはアメリカのホワイトカラーにおいても更新を重ねて長期の雇用が維持される場合が少なくありません。

 第2に、国内の大学における状況を見ると、教員に関しては約8割の大学で任期制が導入されていますが、その大半は助教のみ、あるいはセンターの教員のみといった部分的な導入であり、全教員を任期制としている大学は殆ど存在しません。職員に関しても、非常勤職員は多くの大学で任期制の契約となっていますが、常勤職員も任期制としている大学はこれまた殆ど存在していません。住宅ローンや退職金制度を始めとして終身雇用を前提とした、あるいは終身雇用が有利となる様々な社会的仕組みが存在する中、国内の大学に教員あるいは職員として就職することを希望する場合、横浜市立大学と他大学のどちらがより好まれるかは明白です。

 第3に、日本の大学においてもアメリカ等の大学と同様に、職員が単なる事務処理能力を超えて高度な経営等に関する能力を有することが必要になってきていますが、組織における長期的な展望が開けない任期制の下にあっては、これらの能力を備えた人材の確保は困難です。国内においても大学経営に関して大学院で専門教育を受けた人材層が育ちつつありますが、法人化後の最初の固有職員採用試験には応募してきたこれらの人材が、現在では横浜市立大学には全く応募してこなくなっています。

 第4に、民間企業の事例を見ると、外資系企業においては1年ないし2年の雇用契約が一般的ですが、周知のようにこれらの外資系企業における収入は日本企業のそれを大きく上回るものであり、リスクとリターンがバランスするものとなっています。横浜市立大学における教員、職員の給与はもちろんそのようのものではなく、不安定な身分にも拘らず多くの私立大学に比べればむしろ低い数値となっています。

 第5に、任期更新の前提となる業績評価の公平性、客観性の確保は日本社会においては実際には困難です。富士通に始まる民間企業における成果主義の導入と失敗、人材流出による衰退、その後の成果主義の見直しからもそれは明らかであり、加えて横浜市立大学の場合、理事長以下の経営陣、事務局幹部の大半が高度化した大学経営とは無縁な横浜市OB、横浜市派遣職員であることが事態をさらに一層複雑にしています。

 以上の様な任期制に伴う諸問題の結果、横浜市立大学は、教員、職員とも人材確保の面で著しい不利益を被っています。教員に関しては、他大学への流出が止まらない一方で、新規採用における首都圏の国公立大学としては信じがたいレベルへの応募者数の激減という事態に至っています。職員についても退職者、休職者が後を絶たないため、それが職場環境の悪化につながり、更なる退職、休職へと繋がっており、数値は公表されていませんが、職員労働組合の推測では毎年10%を越える固有職員が退職しているのではないかと思われます。ことに深刻なのは、プロフェッショナルとしてのより高度な能力を身につけることを望む職員が他の私立大学等へと転職するケースが相次いでいることで、このままでは、経験と能力を備えた人材を十分に確保することは半永久的に困難なままです。高等教育の世界における横浜市立大学の評価は、関係者の間において話題に上がることの無い大学という位置へと落ち込みつつあります。

 民間企業における経営者としての経験も持つ貴職におかれては、このような大学の経営状況について、既に正確で詳細な報告を受けているものと思います。大学に巨大なマイナスをもたらしているばかりか法的根拠も失った全員任期制について、今回の法改正を機に法人の設置者として廃止の英断を下されるよう、ここに要請するものです。

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2013年2月8日金曜日

A課の職場態勢等についての協議要求書

 これまで繰り返し書いてきたように、全員任期制を始めとして問題が山積している職場ですが、組合が具体的にその解決や改善のためにどのような取り組みを行っているかについては、個別の雇用紛争など公開するには差し障りのある問題が多いことから(職場諸要求等の制度や運営一般に関するものを除き)なかなか組合ニュースのような形で公にすることが出来ませんでした。今回は、具体的な活動の一例として、特定の職場に関して職場環境・労働環境の改善のために行った協議要求について、課名を伏せた形でご紹介します。

2013年2月8日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 本多 常高 様

横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 三井 秀昭

A課の職場態勢等についての協議要求書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。
 さて、A課で職員の退職が相次いでおり、補充も不充分な状態のため、職場環境・労働環境が悪化している状況が見受けられます。
 本学における退職者、休職者の続発とそれに伴う職場環境・労働環境の更なる悪化は、かねてから職員組合が問題として指摘しているところですが、今回のA課のケースは特に問題と思われることから、職員労働組合として以下の通り、説明及び協議を要求します。
  1. 同課における近年の正確な退職者数及び欠員の状況に関して、組合に明らかにするよう求める。
  2. 当局側として、同課における退職者の続発はどのような原因によるものと認識しているか。
  3. 昨年7 月4 日付の「本学の職場体制等についての協議要求書」をめぐる質疑の中で、当局側は固有職員の退職の穴埋めに関し、年度途中の退職には派遣で一時的に対応、その後は固有職員による対応が原則と説明した。同課における退職者への対応は、必ずしも当時の説明通りとはなっていない模様であるが、それは何故か。
  4. 同課における勤務状況、特に勤務時間について正確な記録が行われ、また、それらは安全衛生委員会に報告されているか。
  5. 上記の勤務状況は労働基準法等の関連法規に則り適正な状態にあるか。
  6. 1~5を踏まえ、同課における職場環境・労働環境の改善のための具体的方策について、組合と誠実に協議を行なうよう求める。

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2013年1月10日木曜日

職場集会開催のお知らせ

職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。


 福浦キャンパス: 1月23日(水)12:05~12:55
  (基礎研究棟 441号室 *いつもとは違う部屋になります。ご注意ください)

 八景キャンパス: 1月24日(木)12:05~12:55
  (本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

今回は、11月29日に横浜合同法律事務所田渕弁護士を講師に迎えて開催した改正雇用契約法に関する学習会の内容紹介を中心に、前回10月の職場集会以降の活動状況報告、情報交換等を予定しています。非組合員の方の参加も歓迎します。

 飛び入り参加も可能ですが、1月18日(金)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。申込は、ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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