2018年6月1日金曜日

2018年度第2回学習会「政府主導型大学再編と横浜市立大学 -中央教育審議会大学分科会審議状況から-」のお知らせ(職員組合・教員組合共催)

今年度第2回の学習会についてご案内します。

昨年3月、文科大臣から「概ね 2040年頃の社会を見据えて,目指すべき高等教育の在り方やそれを実現するための制度改正の方向性などの高等教育の将来構想」についての審議が中教審に諮問されました。それ以降、大学分科会の下に設置された将来構想部会、制度・教育改革ワーキングを中心に多数かつ多岐にわたる事項についての審議が急ピッチで行われています。

昨年の12月28日付で将来構想部会の名前で、一旦、「今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理」が取りまとめられ公表されていますが、その後も審議は続き、6月中に中間まとめ、秋には答申が行われることが予告されています。

上記のように、審議されている事項は多数かつ多岐にわたるのですが、「論点整理」から現在までの5か月の間に出て来た項目で注目すべきものとして「大学進学者数将来推計」「人材養成の3つの観点」「大学等連携推進法人(仮称)」が挙げられます。

このうち「大学進学者数将来推計」については2月の組合ニュース(公開版)で少し触れましたが、推計と言っても進学率と18歳人口の双方について推計するのではなく、まず進学率の上限を設定し、その条件下で過去のトレンドに基づき都道府県、男女別に進学率を計算、それを18歳人口推計値にかけ合わせて進学者数を算出するという「計画」や「政策的想定」に近い性格のものです。これに国公私全ての大学が(大学単位か学部、研究科といったより下部の単位かは未確定ですが)3つの中から選択する「人材養成の3つの観点」、一般社団法人という登記だけで簡単に設立できる既存の枠組みをそのまま流用し「共同教育課程」、「学生の転学を含めた法人全体での支援」、「入試業務の共同実施」、「事務の共同実施」、「産学連携のワンストップサービス」等々の機能を持たせることが予定され、資金面でも財産の拠出による基金の設立や収益活動が可能な「大学等連携推進法人(仮称)」とを併せると、先進国としては類例のない政府の主導下における大規模な大学再編や分野、定員等の整理といった展開までが可能となる枠組みが浮上してきます。会議資料には出ていませんが、一部報道によれば「大学等連携推進法人(仮称)」の運用開始は2020年を目指しているとのことです。国立大学の「一法人複数大学化」も同じく一部報道で2020年からとされており、政府としては大学再編の始動を2020年と考えていることが伺えます

今回は、この中教審大学分科会の部会、WGにおいて展開されている3つの検討項目について紹介するとともに、(中教審も含めた)文科省における検討の大枠が外部で予め決定されている近年の高等教育政策の特異な構造的特徴とその志向性についても取り上げ、今後の展開とその中での横浜市大の将来と課題について参加者の皆さんと共に考えてみたいと思います。

なお、今回は職員だけでなく大学の構成員全体に関わる、しかも相当に深刻なテーマであるため、教員組合に共催を呼びかけたところ、ご賛同をいただいたので両組合共催での学習会となります。また、1時間のフルバージョンと30分の簡略版(こちらは「大学進学者数将来推計」、「人材養成の3つの観点」、「大学等連携推進法人(仮称)」についての紹介と今後の政策的展開に重点を置き、高等教育政策の構造的特徴についてはごく簡単にするか省略の予定です)の2回を用意しました。ご都合や関心に応じて選択ください。

日時、場所は下記の通りです。


【日時・場所】

6月14日(木) 18:45~19:45
金沢八景キャンパス 文科系研究棟2階 第2会議室

6月20日(水) 12:15~12:45(こちらは簡略版です)
金沢八景キャンパス 職員組合事務室

  • 資料準備の都合上、「6月14日(木) 18:45~19:45」の回については、6月12日(火)までに ycu.staff.union(アット)gmail.com までお申し込みください。
  • 「6月20日(水)12:15~12:45」の回については、6月18日(月)までにycu.staff.union(アット)gmail.com までお申し込みください。また、この回に限り、6月15日(金)までに参加申込みの「職員」の方について、組合で弁当を用意します。
  • 組合事務室の場所については、http://ycu-union.blogspot.jp/2015/09/916.html をご参照ください。
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