2010年9月2日木曜日

学生生活アンケート結果について

 8月末、学内に「学生生活アンケート結果の検討・活用」というメールが発信され、昨年度学生に対し行ったアンケート結果がYCU-Netに掲載された旨の連絡がありました。このような内容が学内に広く公開されること自体、これまでの本学ではあまり考えられないことでしたが、市長の交代で風向きが少し変わったのか、あるいは認証評価を受けた以上、これまでのような「知らしむべからず」という姿勢をそのまま維持することは困難になったのか、それともこれまでは単に作業上の余力がなかったのか等、その辺りは不明ですが、ともあれ、このような情報自体が学内にきちんと公表されるに至ったことは歓迎すべきことです。

YCU-net 掲示板 (学内限定)

 ただし、公開された内容自体、特に自由記述の内容は喜んでいられるようなものではありません。ここに書かれている問題の少なからぬ部分が、職員組合や教員組合がこれまで指摘してきた問題、あるいは問題に起因するものです。特に、個人的にはカリキュラムに対する不満を非常に問題視せざるを得ません。法人化後の本学の、特に八景キャンパスにおける教育上の特色として掲げていた様々なキーワード、スローガンはある程度の視野、知識を持った大学関係者から見れば内実を伴わないか、単独では実施上有効な結果をもたらさないものであることは明らかでした。しかし、いわば消費財としての大学教育という面から見れば、住宅などと同じで普通一生に一度しか購入しないものであり、その上、教育の評価は住宅の評価よりもさらに難しく、学生にとっては自分が受けている教育の質について(クラスの人数やゼミの競争率、施設などの評価を除けば)評価することは簡単ではありません。それにも拘らず、これだけの不満が寄せられているということはよほどの問題があると考えるべきなのです。

 いつの間にか横浜市大がジャーナリズムに取り上げられることも少なくなってきました。神奈川県内の大学として取り上げられるのは横浜国大であり、公立大学の中で取り上げられるのも(やや特殊な存在ですが)国際教養大であり、あるいは首都大であり、横浜市大が含まれることは滅多にありません。要するに教育ジャーナリズムにおいて、取り上げるほどのものでもない大学という評価が定着しつつあるのです。

 組合の声に当局が耳を傾けないことは珍しいことではありません。しかし、学生の声に耳を傾けない大学に将来があるとは思えません。いままで、問題はない、あるいは多少の問題はあったがそれも解決したなどと言っている人達には是非耳を傾けてほしいと思います。そして市長や市当局にも、市関係者からではない情報に気づいてほしいと思います。残された時間はもうあまりないかもしれないのですから。

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