市人事委員会の勧告は、国の人事院勧告と同様、民間給与との較差(横浜市の場合は横浜市内の民間事業所が比較対象)に基づき行われるもので、今年度の勧告の内容は以下のようなものです。
- 月例給について、市内民間給与との較差455円を埋めるため、扶養手当及び住居手当を改定
- 具体的には、扶養手当については、配偶者以外の扶養者にかかる手当月額を500円引き上げ月6500円に、住居手当については40歳未満の職員の月額18000円を1600円引き上げ月額19600円に
- 特別給(ボーナス)については、市内の民間支給割合4.36月と市の現行の支給割合4.25月の格差を埋めるため0.1月分引き上げ4.35月に
- 実施は、月例給については平成28年4月から、特別給については条例の公布日から
昨年来、固有職員の住居手当の改訂を巡る問題については度々組合ニュースでも取り上げてきました。
http://ycu-union.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/07/blog-post_94.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html
要約すると、法人化時の「法人固有職員の処遇は市職員に準じる」という合意に関わらず、市での「40歳未満の住居手当は9000円から18000円に引き上げ、40歳以上は廃止する」という改訂について、法人固有職員の平均年齢が20代で大半の固有職員が引き上げ対象となり、法人財政が悪化する中、負担が大きいため引き上げは行わないと当局側が主張、これに対して組合側が合意に反するとして交渉を求め、最終的に今年度に関しては、市での9000円には遠く及ばないものの10月以降500円の引き上げを行うという事で決着したものです。
もちろん組合としては満足できる内容ではなく、「法人財政の悪化」を唱えつつ、来年度から始まる第3期中期計画では大規模な組織の新設、改廃が予定されているなど、整合性のとれた合理的な経営戦略が存在するのか、特に固有常勤職員だけでなく教員についても任期制を廃止、人件費が文字通りの固定費となった現在、数年で入れ替わる横浜市OB、市派遣の経営者、管理職に責任ある長期的な経営が可能なのか、疑問を持たざるを得なくなる成り行きでした。
今回の市での改訂により、横浜市職員と大学の固有職員の住居手当の差は月額で1万円を超え10,100円(横浜市19600円、大学9500円)へと拡大します。月額500円の値上げでさえ、1年半余りの交渉、しかも労基署による検査と厳しい指導と重なるという外部的要因もあってようやく勝ち得たものであり、今回の横浜市の引き上げを固有職員の処遇に反映させることは容易なことではないと予想されます。また、扶養手当の取り扱いについてもどうなるか、現段階では不明です。
組合としては、当然、法人化時の「法人固有職員の処遇は市職員に準じる」という合意に拠って引き上げを要求していくことになりますが、27年度の法人決算がどうやら本当に赤字に転落したらしいこと、
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/corp/finance/pdf/H27FinancialReport.pdf
これまでの交渉経緯からも明らかなように、法人固有職員、少なくとも一般職員の処遇には当局側としては高い優先順位を付けてはいないことから、厳しい交渉になるでしょう。9月9日付の組合ニュース(公開版)でも最後に書いたように、労働組合の交渉力の源泉は組合員数です。固有職員の現状と将来について、これで良いと考えていない人には、改めて組合加入を呼び掛けてこの稿を終わります。
横浜市立大学職員労働組合 加入案内
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