2017年2月17日金曜日

住居手当ほか固有常勤職員に関する給与体系変更提案:第2報 法人化時の合意変更に当たると認める その他 多数の問題点


前回1月23日付組合ニュース以降の続報です。

前回の組合ニュースでは、「今年度の横浜市における住居手当の1600円の引き上げについて、固有常勤職員については追随しない(市派遣職員については実施)」だけでなく、4月からの「月例給の上位昇給の廃止」、「勤勉手当の算出基礎からの扶養手当の除外」という3つの措置を併せて、それによって浮いた資金を勤勉手当の成績率・分布率の拡充に充てるという給与制度の大きな変更を、しかも実施のわずか2か月前に突然提案してきたことをお伝えしました。今回はその続報になります。

1月20日に続いて2月6日、再度交渉を行いました。


Ⅰ.勤勉手当の具体的変更内容について

前回示されなかった勤勉手当の具体的変更内容ですが、A,B,Cの3段階評価はそのままとして、

  1. A評価となる職員の割合を現在の5%から最大で20%に拡大、B評価となる職員の割合は現在の90%から最大80%に減、C評価は現在の5%を絶対評価によるものとして割合は定めない。
  2. A評価になった職員への給付額の上乗せを現在の+5%から+15%に増、C評価の-5%はそのまま。


と変更するというものでした。

この当局側の追加提案を受けて、組合からは、まず、なぜこのような法人化時の合意に反する給与制度の大きな変更を、しかも昨年の8月に住居手当の取り扱いについて2年近い交渉の末、28年度は例外的に市に準じないことでようやく合意した直後、交渉期間もほとんど取れない年度末のタイミングで言い出したのかを改めて質しました。これに対しては、①「法人の財務状況が初めて完全な赤字となった昨年度以上に厳しく、積立金を取り崩しても昨年度以上の赤字になりそうだから」として、法人財務の急速な悪化に対応するためのものであるとの説明がありました。

加えて、4月から始まる次期中期計画について、②「このままでは人件費増による収益圧迫が現実のものになる」こと、③「そのような制約条件の中で、市が勤勉手当について変更するということがあり、財政状況の悪化という制約条件の中で、職員のインセンティブを維持するためには月例給の上位昇給より勤勉手当の加算で対応する方が望ましいと考えた」ことも併せて理由として挙げました。

これらのうち、③について、なぜ月例給(月給)の引き上げではインセンティブにならず、勤勉手当(賞与)の引き上げがインセンティブになるのか、意味不明であるとしてさらに説明を求めたところ、現場の職員を選抜したプロジェクトチームの2年間かけた検討で、市に準じた上位昇給にウェイトがかかり勤勉手当のウェイトの低い評価には不満が出て、勤勉手当の方が、このような業績を上げたからということで分かり易い、という組合側には説得力の感じられない追加説明がありました。

以上が、まず1月20日の交渉では明らかにされなかった勤勉手当の具体的変更内容に関する追加提案内容になります。


Ⅱ.法人化時合意の変更提案か?

続いて、同席していた、法人化時の「法人固有職員の処遇は市職員に準じる」という合意における当事者の一方である横浜市従本部の執行委員から「法人化時の市に準じるという合意ではこれ以上は財政が厳しい、変えるという提案か?」という確認があり、当局側を代表する人事課長から「そういう理解で結構」という回答がありました。これによって、今回の提案が当局側からの法人化時合意の変更を意図するものであること、法人固有職員の処遇を市職員とは別のものとしようとしていることが完全に明確になりました。

さらに横浜市従本部執行委員から「このような大きな問題は、過去の労使合意も踏まえ慎重に議論すべきもので、1月末提案、4月1日から実施では充分な議論などできない」との指摘があり、これに対しては「法人発足時に固有職員の処遇は市職員に準じるという合意があったのは承知しているが、あくまでの発足時の合意だ。地方独立行政法人法の趣旨に基づき、法人の給与は法人業務実績と社会一般の情勢に基づき決めることになっている。議論の期間については組合側と誠実に対話したいと思っている。2か月の中で精力的に協議したい」という答えでした。なお、この日の勤勉手当の具体的変更内容を記した追加提案文書の末尾には、組合側への回答期限として3月10日(金)を指定しています。実際には1月20日を起点にカウントしても交渉期間は2か月もありませんし、提案内容自体が出そろったのは1月27日、さらに交渉のために必要な各種データもまだほとんど示されていませんので、実質的な交渉期間は1か月もありません。


Ⅲ.その他

その他では、組合への提案文書における提案理由が「法人に相応しい人事給与制度」・「意欲・能力・実績を反映するメリハリのある人事給与制度とする」ことであり、口頭で繰り返している「法人財政の悪化」「固有常勤職員の年齢構成の極端な偏りへの対応の困難性」が含まれていない点について、「『制約条件』として財政状況の悪化と年齢構成の偏りを言っているにもかかわらず、提案文書では、法人に相応しい、意欲・能力・実績を反映する制度としか書いておらず、これはミスリーディングだ。これだけではまるで固有職員の給与が上がるようにも取れる。財政難への対応のための変更というなら正直にそう書くべきだ」と指摘しました。当局側の回答は「『大学・病院の実態に相応しい人事給与制度』という部分で含意している。制約条件だから敢えて書かなかった」という納得しがたいものでした。

また、「財政難で制度を変えざるを得ないというなら、財政難に至った責任の所在は?」という追及に対しては明確な回答はありませんでした。

さらに、最後に「本当によく仕事をやっている若手・中堅に光を当てるための制度だ」という発言があり、「評価」結果の高い一部職員を優遇し、その他の職員との間での処遇較差の拡大を志向する制度であることが明言されました。

以上が、2月6日の交渉における概要です。その他、書ききれなかったこともありますが、法人の提案内容を裏付けるバックデータの提供が、口頭によるごく一部のもの以外は無かったこともあり、今回はこの程度としたいと思います。


Ⅳ.組合の見解

  1. 法人財政の急速な悪化と、法人固有職員の年齢構成が極端に偏っていて今後の平均年齢の上昇により市職員と同等の処遇は維持できないという「制約条件」を前提とした提案である以上、今後、中長期的に法人固有職員の処遇を「引き上げない」ための制度変更であることは確実です。しかも、その枠内で(月例給の上位昇給を廃止した上での)勤勉手当の「上位評価者」への優先的配分ですから、勤勉手当がB,C評価(8割程度)の場合、月例給の上位昇給による埋め合わせの機会も無く、これまでよりも処遇が低下することになる可能性が高いでしょう。
  2. また、勤勉手当でのA評価への配分増と言っても、交渉の中で口頭で示された額の変動は、これまでの「A評価者の全員分」で年間総額260万円程度の配分額が2670万円程度(給付人数は現在の4倍)になるというものです。モデルケースの数値が示されていないため不確実ですが、上位昇給廃止分等の3つのマイナスと比較して大幅に大きな額となるとは考えにくいところです。
  3. そのような少しばかりの額の変動がインセンティブになるかも疑問です。月例給の上位昇給によるリベンジのチャンスも無いB、C評価者のモチベーションが上がらないのは確実として、A評価者に関してもそうはいかないだろうという反証として行動経済学の研究の例を挙げておきます。

    慈善募金の寄附集めを使った実験で、①慈善事業の意義を十分に説明してから募金集めをしてもらったグループと②慈善事業の意義のインプットに加えて各人が集めた募金額の1%のボーナスを支払うことを約束したグループ、③各人が集めた募金額の10%のボーナスを支払うことを約束したグループ(慈善事業の意義に関する説明なし)という3グループに分け、どのグループの成績が最も高く、どのグループが最も低くなるかを検証したものです。

    さて、みなさんはどうお考えになるでしょうか?

    最も高いパフォーマンスを挙げたのは①のボーナス無しのグループで、最も低かったのは②のグループでした(『その問題、経済学で解決できます。』ウリ・ニーズィー、ジョン・A・リスト)。実験の結論は、金をインセンティブにするならそれはたっぷり支払われなければならないというものです(組合が賃金の話をしているので、ボランティア活動では活動意義を十分に理解した上での無報酬が一番いいという話は除きます)。加えて勤勉手当のA評価の上乗せ分の原資は、もともと他の形で受け取っていたか、受け取る可能性のあったもので、別に今までの給与に純増で上乗せされるものではありません。インセンティブとしてはさらに効果は怪しくなります。
  4. 今回の変更により法人化時の「法人固有職員の処遇は市職員に準じる」という合意が反故になった場合、これまでであれば勤勉手当(賞与)に関しても「民間企業との較差に基づく市人事委員会勧告による横浜市の給与」に準じていたものが、民間企業同様、「法人の業績」次第で如何様にも、簡単に動かすことができることになります。むしろ本筋はこちらの方で、今回の提案で来年度の給与が幾らくらい変わるかよりも、法人化時の合意が反故になることで、以後は給与・給与制度共に経営側がいつでも好きなように変更できるようになってしまう、ことに賞与とは本来そういう性格のものだという事こそが最大の問題です。
  5. また、月例給の上位昇給より勤勉手当のA評価の方がインセンティブとなるという根拠も意味不明です。それに繰り返しますが、勤勉手当の成績率・分布率の拡充は「今年度の横浜市における住居手当の1600円の引き上げに固有常勤職員については追随しない」、「月例給の上位昇給の廃止」、「勤勉手当の算出基礎からの扶養手当の除外」という3つ措置により浮いた資金を廻すことで実行されるもので、人件費のアップで達成されるものではありません。つまり、勤勉手当のA評価者にしても、その増分の原資は「自分も対象であった可能性のある月例給における上位昇給分」と「従来通り市に準じていれば自分が借家・借間住まいの場合確実に支給された住居手当の増分」、そして同じく確実に自分が受け取っていた「勤勉手当の算出基礎からの扶養手当の除外」です。何やら朝三暮四のような話になってきた観もあります。
  6. 法人化時の合意について「あくまでの発足時の合意」と主張していますが、合意自体の有効期間を特に定めていない以上、その変更はあくまでも労使の合意に拠るべきで、法人化以後10年以上が経過したからと言って合意が自動失効しているがごとき主張は受け入れられません。
  7. 交渉期間について「誠実に」と言っていますが、人事給与制度、それも労使合意に基づき法人化以後10年以上続けきてきたものを実質1か月余の交渉で決着しようとしている時点で「誠実」とはとても言えません。
  8. 前回も書いたように、法人固有職員の年齢構成の極端な偏りは経営側の人事政策の結果であり、誰も何もしていないにもかかわらず自然発生したわけではありません。毎年、採用計画が立案され、承認され、実施された結果です。他の公立大学法人の中には、年齢構成の極端な偏りを回避するための計画的な採用を行ったところも複数存在しています。当然ながら、その責任をまず問うことが必要です。経営責任無き経営は近代社会においては許されるものではありません。
  9. 「法人財政の急速な悪化」についても同様ですが、それ以前の問題として、これも前回指摘したように、一方で「財政難」を言い、固有職員人件費の抑制に着手しながら、もう一方では4月からの次期中期計画では様々な新規事業、組織新設・増設が目白押しとなっています。右手のバケツには「水が無いからもう入れるのはやめよう」と言い蛇口を閉めながら、左手は穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるがごとき経営は到底合理的なものとは言えません。
  10. 関連して、本当に経営難なのかという問題もあります。法人化時に「もっと経営努力を」ということで年額で30億円余削減された運営交付金ですが、次期中期計画の期間中の運営交付金予定総額は、現行第2期中期計画の約580億から約650億へと大幅に増額される模様です。労働者の権利保護が法によって与えられた使命である労働組合としては、本当に経営が悪化し、例えば(公立大学の経営においては非現実的な仮定ですが)キャッシュフローが悪化、運転資金が枯渇しそうなどという事態であれば、他の項目と同様に人件費についても削減の対象となるという事は否定しませんし、少なくとも交渉自体には応じるでしょう。しかし、そうではなく、ただ、他の事項に優先して人件費を削減しようということなのであれば、法に与えられた使命と組織における公平・公正性のために当然同意は出来ません。あるいは、運営交付金の大幅な増額を受けても苦しいほど経営状態が悪化しているというのであれば、それはやはりまず第1に経営責任の所在の問題、そして更なる経営状態の悪化につながるであろう拡張政策は一体どういう事かという問題になります。
  11. また、本学の場合、「評価に基づく処遇」自体がどこまで公平、公正に行いうるかという点でも問題があります。法人化以降、2014年度の固有常勤職員任期制廃止まで、職員組合は毎年複数持ち込まれる「上司との折り合いが良くない ⇒ 日常での軋轢 or 低評価 or ハラスメント ⇒ メンタルを中心に健康を害する ⇒ 任期更新が不可とされる or 1年などの短期契約を提示される」という相談への対応に追われてきました。ひどい時には5,6件が同時進行していたことさえあります。上記のようなトラブルは任期制の廃止により連鎖の最後の部分が無くなったことで一見沈静化していますが、上司との人間関係の軋轢等の問題は依然として存在しています。組織文化にまで及んだ影響の修正は容易なことではありません。
  12. この点もデータの提示が無いと確実には言えないのですが、来年度に関しては仮に当局側主張の通り実施されたとしても、勤勉手当の評価による差はそれほど極端なものにはならない可能性が高いと思われます。しかし、これまでの当局側の感触や法人化以降の経営サイドの態度・傾向、それに④で指摘した根本的な問題点からすると、その後、上位評価者に対する傾斜配分を大きくしていく可能性は高いであろうと予測されます。しかし、本学には上記のような評価に関する組織的な問題があり、また、仮にこれが「普通の組織」レベルに改善されたとしても、メンバーシップ型人材によって構成された組織における評価はもともと極めて難しい問題をはらんでいます。個別のジョブは明確でなく、メンバーシップの集団内においては共同して仕事を進めることが良しとされ、ジョブに基づく専門性はむしろ忌避されます。そのような仕事の在り方は個別の厳密な評価には馴染まず、評価による処遇の差が大きくなるほどメンバーシップ集団内での軋轢を強めることになります。大企業の成果主義の失敗は、メンバーシップ型の人事システム内にシステムと馴染まない「個別社員の成果」による評価を持ち込み、それに基づく処遇の差を拡大した点が大きく影響しています。逆に、処遇の差を小さくとどめても、それは③で指摘したように、コストをかけて制度・運用を変えることに見合うほどの成果が得られない可能性が高いでしょう。であれば、余計なことはせずに20代、30代職員の住居手当を法人化時の合意通り9500円から19600円に引き上げる方が制度変更や評価のコスト、リスク無しに職員の処遇を改善できるわけで、むしろ効率的であるとさえ言えます。
  13. 今回の提案通りになった場合、これまでも市派遣職員、法人固有常勤職員、契約職員、嘱託職員、アルバイト、派遣社員と複雑な人的構成であった各職場が、これまでは同一であった人事給与・評価制度面で市派遣職員と法人固有常勤職員が分離、別建てとなりさらに複雑になります。時間的コストも含めさらに非効率化する可能性が高いでしょう。
  14. そもそも論の一部として、市の住居手当の引き上げに追随する資金があるのであれば、合意に従いそうすべきです。もともと市が昨年度、20代、30代の住居手当を倍額の18000円に引き上げたのは、横浜市やその近辺において借家・借間の家賃が高く、給与も抑制されている中、せめて9000円から引き上げようという意味があったはずです。それでも横浜市やその近辺において借家・借間の家賃を賄うには到底及ばず、今年度の引き上げ額1600円を加えて19600円としてもそれは同様です。ましてや現在の法人固有常勤職員の月額9500円では住居費のごく一部しか賄えません。
  15. 考課制度については、今回は変更せず29年度中に見直すとしています。給与制度と考課制度はセットで機能するもので、考課制度はどう変えるか分からないが給与制度は前倒しで変更するので同意しろというのは組合としては到底納得できるものではありません。どのような考課制度に基づき給与制度がこう変わるという全体像が明らかにされて初めて本来の交渉が可能になるものです。
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2017年1月27日金曜日

緊急職場集会(2/1水、2/2木)開催のお知らせ

1月中旬に開催したばかりなのですが、1月23日付の組合ニュース(公開版)でお知らせしたように、固有常勤職員の処遇・給与体系に関する法人化以降の方針の事実上の変更に当たる提案が1月20日に当局側からあり、しかもこの4月から実施したいとしているため、この問題について緊急に職場集会を開催することにしました。

27日(金)夜に組合に追加提案として示された勤勉手当の具体的変更内容も含め、提案内容の詳細、これまでの交渉経緯、具体的に今後の固有常勤職員の処遇にどう影響するのか等について取り上げます。

2月1日(水) 12:15~12:45 (八景キャンパス 本校舎 職員組合事務室)
2月2日(木) 18:30~19:00 ( 〃 )

*八景キャンパスで昼休みと夜、各1回開催します。なお、食事は各自でご用意ください。

*福浦キャンパスでの開催も検討していますが、開催する場合でも7日以降になります。ご関心のある方で都合のつく場合には、2日夜の集会にご参加ください。 

*組合員で無い方も含めて、飛び入りの参加も可能ですが、資料準備の関係上、出来るだけ1月31日(火)までに ycu.staff.union(アット)gmail.com への事前申込をお願いします。

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2017年1月23日月曜日

住居手当ほか固有常勤職員に関する給与体系変更提案 -法人化時労使合意に基づく市職員に準じる処遇の事実上の終了の危機-

一昨年から昨年にかけて、横浜市における若手職員住居手当引き上げに対応した大学固有職員の住居手当の取り扱いに関する交渉の経緯をお伝えしました。

http://ycu-union.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/04/blog-post.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/07/blog-post_94.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

こちらについては、2年近くにわたる交渉の結果、①法人の財務状況が厳しいこと、及び②固有職員の年齢構成が極端に若年層に偏っていて、市と異なり住居手当の廃止対象職員が殆どいない一方で固有職員の大半が増額対象となり法人財政への負担が大きいという当局側の主張にも一定の配慮すべき点があり、横浜市からは1年半遅れ、かつ額としては市の引き上げ額9000円に対して平成28年度はわずか500円の引き上げで組合としてはやむを得ず合意しました。

29年度以降の取り扱いについては引き続き当局側と組合で交渉することになっていたのですが、今年度の横浜市職員の給与について、昨年10月に市人事委員会から民間給与との差額分について引き上げの勧告があり、その中に住居手当をさらに1600円引き上げ月額19600円とすることが含まれていたため、29年以降の話の前にこの今年度の横浜市の住居手当引き上げにどう対応するかが問題となりました。
こちらについては、昨年11月に3度にわたって組合ニュースで状況をお知らせしたところです。

http://ycu-union.blogspot.jp/2016/11/1.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/11/105002.html
http://ycu-union.blogspot.jp/2016/11/105003.html

上記のニュースで書いたように、11月の当初時点では法人の財政状況を理由に今年度の市の引き上げには倣わないというのが当局側の反応でしたが、その後、継続協議とすることで合意、取り扱い未確定のまま越年となっていました。

この問題について、先週末の1月20日夜に当局側から新たな提案がありました。内容は、法人財政の見通しが不明確であることを理由に住居手当のみは市に準じないというこれまでの提案内容から大きく変わるもので、① 住居手当については今年度の横浜市の引き上げには追随しない、② 月例給の上位昇給の廃止、③ 勤勉手当の算出基礎からの扶養手当の除外、④ 以上の①~③の措置と引き換えの勤勉手当の成績率・分布率の拡充というもので、法人化時に法人固有職員と市職員・大学への市派遣職員の処遇に格差を設けさせないために組合側が要求、合意した「法人固有職員の処遇は横浜市職員に準じる」という内容から大きく逸脱するものです。実施時期についても、上位昇給の廃止は29年4月、つまり2か月後から実施したいという性急なものでした。

また、このような提案を行った背景としては、① 常勤固有職員の年齢構成が若年層に大きく偏っており、中長期的に年齢構成が異なる横浜市職員と同様の処遇を続けることは困難、② 大学という市とは異なる組織の職務等に応じた人事給与体系としたい、という2つを挙げ、それらを踏まえ、職員の意欲・能力・実績を反映できるメリハリのある人事給与制度として今回の変更を提案するという説明でした。


20日夜に当局側から組合に対して示された具体的な提案文書は以下の通りです。

平成29年1月20日
企画総務部人事課

法人職員の給与体系の見直しについて


1 提案理由

公立大学法人化後12年目を迎え、平成29年度からは、「第3期中期計画」がスタートします。 現在策定がすすめられている「中期計画(素案)」の中でも「大学職員・病院職員としてのプロ フェッショナルな人材育成」に基づき、職員の専門性や業務の継続性を高めるキャリア形成を進 めるとともに、現行の人事給与制度の課題を検証し、職務、職責に応じた大学・病院の実態に相 応しい人事給与制度の検討を進めるとしています。

こうした背景を踏まえ、職員の意欲・能力・実績をより一層反映できるメリハリの
ある人事給 与制度とするため、法人職員の昇給制度の運用を見直すとともに、勤勉手当における業務実績評価の充実を図ります。

2 内容

(1)昇給幅の見直し

ア 上位昇給区分(6号)を廃止し、人事考課結果を勤勉手当における業務実績評価へ反映します。

イ 下位昇給の昇給幅を人事考課結果がC評価の場合は「2昇給」、D評価の場合は「昇給なし」とします。

(2)勤勉手当における成績率及び分布率の拡充

昇給幅の見直しの財源に加え、「勤勉手当基礎からの扶養手当除外」及び「住居手当の改定見送り」により、勤勉手当における成績率及び分布率の拡充を図ります。

(3)その他

昇給制度の見直しに伴い、人事考課制度についても見直しを検討します。

3 実施時期

(1)昇給幅の見直し

平成28年度人事考課結果を反映する、平成29年4月昇給から実施

(2)勤勉手当

平成29年12月期


2.(2)の勤勉手当の成績率、分布率については今回、具体的な数字が示されておらず、これについては1,2週間中に改めて提案するとの説明があり、組合側からは1月中に提案するよう求めて、当局側も同意しました。また、提案の内容に関する当局側としての裏付けとなるような数値-例えば法人財政の現状や4月以降の次期中期計画における見通し、特に次期中期においてまるで十分な基本金を持った私学のような拡張政策を取っていることとの整合性、そもそもこの当局側提案によって個々の項目でどのように支出額が変わり、全体としての固有常勤職員への人件費支出額はどう変わるのか等-も一切出ていないため、これらについても早急に示すよう求め、対応を約束させました。

組合側の対応としては、個々の具体的な提案内容以前の問題として、まずは、① 固有常勤職員の処遇の大きな変更であり、法人化時合意の変更にあたる重大な問題である、② これだけの重大な問題は十分な時間をかけて交渉・合意することが大前提であり、実施のわずか2か月前に提案されても実質的な交渉期間がほとんど取れない、③ 常勤固有職員の年齢構成の極端な偏りが人事政策・法人財政上どういう問題を生むかは最初から分かっていたことであり、過去の交渉で組合側から指摘もしてきた。それにも関わらず新卒者・第2新卒者の大量採用を続けてきたのは当局側であり、その責任を問うことなく負の結果のみを常勤固有職員に押し付けることは許されない④ 同一職場において同一の業務を行っているにもかかわらず処遇に格差が生じることはおかしい(ことに市派遣管理職、市OB管理職が大量に存在している状況下においては)、という大原則の指摘を行いました(そもそも平均年齢が大幅に低い分、本来であれば、人件費負担は市よりずっと低いはずです)。また、一昨年度の横浜市における20代、30代職員の住居手当の9000円引き上げに対して、昨年8月に最終的に今年度分としては500円のみの引き上げでやむをえず合意したのは、法人財政の悪化という当局側の説明に対して配慮したためであり、⑤ 今年度の横浜市の住居手当引き上げ額1600円に対応するだけの財源が実はあるのであれば、それはまず市と同様に若手職員の住居手当の1600円引き上げに充てるべきであるという点や⑥ 職員の意欲・能力・実績に報いるというのであれば、制度設計として本俸での上位昇給の廃止は本末転倒ではないか等についても指摘しました。

個別項目に関しては、1月中に行われるはずの勤勉手当の具体的な成績率・分布率の提案及び今回提案に係る具体的な諸データの提示に基づき検討することになりますが、組合としてはまず、上記の大原則に関わる問題点がクリアされる必要があると考えます。

この問題が浮上して以降、たびたび固有職員の皆さんには組合への加入を呼び掛けてきました。今回の提案内容が現実化すれば、それは法人化時の合意が防波堤となっていた法人固有職員の処遇の切り下げによる人件費削減という、民間企業でも多用されてきた(そしてまさにその「合成の誤謬」の結果として日本経済全体の低迷につながった)法人財政政策上の道を開くことになります。そしてそれは、多くの官公庁や民間企業において存在する外郭団体、子会社の職員・社員の“2級市民”的位置づけへとつながりかねないものです。法人化時の労働組合の組合員と当時の執行部の努力の所産としての合意が危機に瀕している現在、皆さん自身の努力によらずして現在の処遇を維持することは困難です。職員組合は少数組合であるにもかかわらず、法人化時の合意と労働基準法等の法令上の根拠に基づき、この12年、非組合員が過半数である法人固有職員の権利と処遇の擁護を続けてきました。しかし、それももはや限界に達しつつあります。重ねて組合への加入を呼び掛けてこの稿を終わります。

横浜市立大学職員労働組合 加入案内

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Webサイトリニューアルの悲劇 -3400万円以上を費やした理由は何なのか?-

昨年末に、本学のWebサイト(附属病院・センター病院のサイトは除く)が、全面的にリニューアルされました。3400万円以上の費用をかけて、多くの関係者が移行の準備作業にあたられ、大変な労力であったと思います。

しかし残念な事に、その結果の新しいWebサイトの仕上がりについては、あまり芳しい声は聞こえてきません。画像が多く取り入れられたデザインは、綺麗と言えば綺麗かもしれませんが、内容の一覧性が欠けるようになり、何の情報がどこあるのか、わかりにくくなりました。また必要な情報を持ち出そうと印刷すると、以前よりムダにページ数が必要となります。視覚障害者へのアクセシビリティー(音声読み上げソフトへの対応等)も、以前よりも低下しているのではないかと危惧されます。

移行に際しての操作研修の際、受験生により判りやすくするという事が、今回の改訂の趣旨である旨、説明にあたる業者の方が述べてましたが、その点についても、本当にそうなのか疑わしい仕上がりです。以前のサイトの何が問題であったのか? ここまでの費用と労力をかけて変えた理由は何なのか? さっぱりわかりません。

単発の広報刊行物であれば、今までのイメージを覆すような冒険をするのも良いでしょう。しかし、Webサイトは情報発信のインフラであり、多くの人が長いスパンにわたって使い続けるものです。今回のリニューアルに際して、学内外のユーザーの聞き取り調査をしたのでしょうか? 利用者の声ももちろんですが、日々サイトでの情報発信をしている人の声を丹念に聞いてから、問題があるとすれば具体的にどのような事であり、改善するとすればどうしたら良いのか、可能な限り合意をとりつつ進めて欲しかったと思います。

こうした合意形成は、一見手間がかかる事かもしれませんが、Webサイトを活用した大学の情報発信について、教職員のベクトルをすり合わせる絶好の機会であったはずです。今の時代に望ましいSD活動にも繋ったはずで、重ね重ね残念でなりません。すでに変えてしまったものは、もう元には戻せないでしょうから、次回のリニューアルの際には、教職員の声が丹念に聞き取られ、望ましいWebサイトの在り方についての合意の形成の努力が行われることを期待して、数年は我慢して使い続ける事になるのでしょうか。

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2017年1月6日金曜日

職場集会開催のお知らせ (2017/1/18・19)

本年度第4回の職場集会を以下の日時で開催します。

★福浦キャンパス: 1月18日(水) 12:05~12:55
(医学研究棟2階 A209号室)

★八景キャンパス: 1月19日(木) 18:30~19:30
(本校舎 職員組合事務室)

固有職員の住居手当問題についてのその後の状況と今後の見通しを中心に最近の組合の活動状況の報告、各職場の近況、課題についての情報交換等を予定しています。

住居手当問題に関しては、単に住居手当に留まらない固有常勤職員の処遇全体に関わる大きな変更が年末の交渉の席で当局側から示唆されています。

関心のある方は是非ご参加ください。非組合員の方の参加も歓迎します。

飛び入り参加も可能ですが、1月16日(月)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。

事前申込は ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

*福浦キャンパスが18日、八景キャンパスが19日です。福浦キャンパスの開催場所もまた変わっています。ご注意ください。

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