2009年8月26日水曜日

大阪府立大学 私学に売却?

 公立大学制度は、国立大学法人制度に比べ設置者の意向、裁量がより反映されやすい制度設計になっていますが、それを利用する形で(時には制度の趣旨も無視して)その時の自治体首長による強い干渉が行われたのが本学、そしてかつての東京都立大学です。さらに大阪府立大学も現在の橋下知事の当選以来、廃止や売却などを知事が公言し、その動向が注目されていますが、本日8月26日、大阪工業大などを運営する常翔学園が大阪府立大学の買収に名乗りを上げた、という報道が一部メディアによって流されました。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090826/edc0908261412004-n1.htm

 事実関係も含め、今後どうなるのかは現時点では不明ですが、歴史的に明治以来、公立の高等教育機関はしばしば設置者の財政上の事情に発する問題に悩まされてきました。基本的に日本の自治体における高等教育の政策上の優先順位は低く、設置者が財政難に陥るとしばしば廃止や国への移管、予算の縮小などの検討対象になってきました。実際、自治体財政が悪化した1950年代から70年代にかけて、運営コストのかかる医学、工学、農学系などの13大学が公立大学から国立大学に移管されています。

 本当に大阪府立大が売却や廃止などの対象になれば、1990年代から続いた公立大学設置の流れから公立大学の再編や整理へと変わるきっかけになるのかもしれません。全国の国公立大学の中でも最も経営基盤の弱体な本学にとってはもちろん人事ではありません。大阪府立大の今後には注意を払っていきます。

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