2017年12月27日水曜日

「嘱託職員、契約職員の移行する新職種の名称について(要求)」に対する当局側回答

11月16日付組合ニュース(公開版)でお伝えした「嘱託職員、契約職員の移行する新職種の名称について(要求)」に対して、12月20日、以下の通り回答がありましたのでお伝えします


要求内容回答の考え方(案)
1.事務系嘱託職員、契約職員から移行する職員については、正式名称を「限定正規職員」職名を「専門職」とするとのであるが、「限定正規職員」は正式名称と捨て使用するには奇妙な呼称であり、また、現行の就業規則においては「正規職員」は存在しないにも拘わらず「限定正規職員を盛り込むのは」おかしい。変更を求める。  「限定正規職員」は、労働契約法の改正等を踏まえ、新たに期間の定めのない職員の「制度」として導入するものです。
 したがって、職名は、「総合職」(正規職員・現行の常勤職員)、「専門職」(限定正規職員)、「一般職」(限定正規職員)となります。
2.病院レセプト業務等の専従となる職員について、職名を「病院専門職」とするとのことであるが、こちらについては、かねてから指摘している通り文部科学省における大学の「高度専門職・専門的職員」に関する検討や有期雇用特別措置法、入国管理における「高度専門職」の位置づけ、また本学において法人化時の大学経営の専門家として位置づけられ、制度化された「大学専門職」との関係等から疑問がある。
 ことに「大学専門職」についてはその専門的知見を尊重しない運用がなされており、今後、病院にとどまらず大学部門においても「専門職」を導入することが示唆されている状況においては、「大学専門職」の位置づけとの関係において大いに危惧を抱かざるを得ない。「大学専門職」の専門的知見を尊重しない人事・組織運用は過去において告発本の発行まで招いており、再考を求める。
 「専門職」(限定正規職員)は、「専門の知識・能力・スキルを有して特定職員においてキャリアを重ねる」という役割を担うことから「専門職」としたものです。併せて、「限定正規職員制度」の導入に伴い、職員の区分を「総合職」「専門職」「一般職」と体系化します。
 このため「専門職」は、文部科学省における「高度専門職・専門的職員」の議論や、本法人における「大学専門職」とは異なるものと認識しています。


要求事項1.に対する回答の「労働契約法の改正等を踏まえ、新たに期間の定めのない職員の「制度」として導入するものです。」「したがって~」というロジックのつながりはどういう意味がよく分かりませんが、とにかく名称としては「一般職」となり、現在の常勤職員は「総合職」となるようです。名称としては一般的なものとなり、それ自体としては「限定正規職員」よりは望ましいと思われます。今後、組合ニュース等でも名称については「一般職」あるいは「一般職(限定正規職員)」を使用することにします。

 ただ、問題は最近の組合ニュースでもお伝えしているように、処遇はこれまでと全く変わらない(しかも横浜市の嘱託職員に比べ月額給与が4万円以上低い状態)にもかかわらず、業務負担と責任をこれまでより重くしようとしているのではないかと思われる動きがあることです。労働契約法による終身雇用への転換というだけであれば「処遇が今と全く同じ」というのは、経営側のロジックとしてはあり得るのかもしれませんが、現状ですら横浜市の嘱託職員より大きく劣る処遇のまま、業務の負荷と責任だけさらに大きくする、そのための“印象操作”としての「限定正規」や「一般職」という名称の使用であれば問題です。「2017-18年度 活動方針」にあるように、当面、横浜市嘱託職員並みの給与の獲得を目指して取り組みを継続します。

要求事項2.については、当局側は、交渉中、「当面、病院以外では「専門職」は考えていないので、どうか……」というのも説得材料として挙げていたのですが、最近になって大学部門でも導入を示唆するようになり、「知財専門職」の公募も行っています(ただし、ややこしいことにこの「知財専門職」は今回の「専門職」としての雇用ではないということです)。「『大学専門職』とは異なる」という文書回答を引き出した点は成果といえますが、(交渉中の感触もそうでしたが)当局側にこの問題で変更の意思は全くないようです。

ただ、関連して一点、指摘しておくと、今や組合執行委員の2名だけになってしまった「大学専門職」である学務准教授の他にも、本学にはURA、そして今回の「知財専門職」等、文科省の検討していた「高度専門職」に該当する職が存在しています(近い将来に「IRer」も加わるかもしれません)。これらは、今回、設けられる非常勤職員の一部が移行する「専門職」とは別の存在であり、法人化時の制度設計に基づけば、本来は「大学専門職」に包摂されるはずのものですが、自らのイニシアティブによらず作られた「大学専門職制度」を嫌う市OB等の経営陣、事務局幹部により、そういった各種の人材が必要になるたびにわざわざ個別に規定を整備して設置するという非常に非効率な制度設計と運用がなされています。そういった経緯はともかくとして、本学では、今回整備・整理される「教員」、「総合職」、「専門職」、「一般職」という人事の大枠の外側に「高度専門職」に相当する複数の職が個別に存在し続けることになります。法人化後の初代理事長となる筈だった故・孫福氏の提唱していた「教員」、「(従来の)職員」、「アドミニストレーター」という新たな大学の在り方からはずいぶん遠くへ来てしまったという感慨も覚えます。

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