2009年2月9日月曜日

京都大学における非常勤職員雇い止め問題の動き

 1月23日にマスコミ各社から報じられましたが、京都大学が5年の任期切れを迎える非常勤職員約100人について雇い止めとする方針を固めたとのことです。また、京大のほか、東大、大阪大でも非常勤職員の雇い止めが予定されているそうです。

 ご承知の通り、本学においても嘱託職員の方々が京大等と同様に最大5年の任期制の契約となっており、その点では、京大の問題はまさしく本学にとって1年遅れで訪れるであろう問題です。

 この問題について、京都大学職員組合が興味深い談話を発表しています。以下、かいつまんでご紹介します。

http://www.kyodai-union.org/modules/news/article.php?storyid=102

  • 報道では、原因は「国立大学運営交付金の削減」にあるというニュアンスで報じられていることが多いが、実際には非常勤職員が勤務する各職場が財政的に立ち行かなくなったのではなく、当該の業務は継続し続けるにもかかわらず一律に5年で雇い止めとし、その後任をまた新たに非常勤職員として雇用しようとするものである。非常勤職員が担当している業務も、非常勤職員を雇用する予算も存在しているが、人だけを代えようとするものである。
  • これによって、雇い止めとなる非常勤職員が5年の間に蓄積した知識・経験等が組織から失われる、後任者が必要なスキルを身につけるまでの期間、組織のパフォーマンスが低下する等デメリットが大きい。
  • 経営者は雇用関係のトラブル防止という予防法務的な観点から制度を導入したと思われるが、それによるデメリットを考慮していない。

 このような指摘は、本学についても全く同様に当てはまるものです。また、京大のケースにおいては、これらの非常勤職員の担当する業務が臨時的で補助的であるということを5年限りの雇い止めとする理由としているようですが、これに対しても実際には常勤職員の穴埋めとして常勤職員同様の業務を行っている非常勤職員の存在が指摘されています。本学においても、規程上、非常勤職員は「業務遂行を補助するもの」とされていますが、実際には常勤職員の補助にとどまらない業務を担当している嘱託職員が多く存在していることはご承知の通りです。

 この非常勤職員の5年での雇い止め問題については、今回の当事者である京大の職員組合だけでなく、同様に雇い止めが予定されている東大の職員組合等でも大学側に対し働きかけが始まっています。横浜市大職員組合においても複数の嘱託職員の方が組合員となっており、これらの方々の希望、意向を踏まえて対応を検討していきます。また、組合員となっていない嘱託職員の方々においても、是非、この機会に職員組合までご意見、ご要望をお寄せください。

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