- “国公立大学”という呼び方に端的に表れているように、公立大学はしばしば“準国立大学”として扱われ、多くの公立大学関係者の認識もほぼ同様であった。しかし、一見国立大学法人法を簡略化しただけのように見える地方独立行政法人法公立大学法人規程は、公立大学を国立大学とは別の方向に進ませる制度的可能性を孕んでいたのではないだろうか。そして、それが現在の地方自治システム、地方自治体のおかれた環境と “化学反応”を起こした場合、可能性は現実のものとなるのではないだろうか。
- 大学行政管理学会を始めとして、大学職員の高度化や専門化を目指す大学関係者の多くがアメリカ型の専門職としての大学職員をイメージしていたように思われる。法人化により国立大学と同様に経営の高度化を目指したはずの公立大学において、その様な専門家型大学職員像は、ある意味においては究極のメンバーシップ雇用であり専門性とは対極の位置にある地方公務員の人事システムとの間に葛藤を引き起こすことになる。そして、それは法人化以前においても、国公私立という大学のカテゴリーの中で最も事務局機能が弱体であるとされていた公立大学の経営においてクリティカルな問題となる可能性がある。しかし、メンバーシップ雇用という、専門家の職務に関する雇用契約に基づく労働とは全く性格を異にする雇用、労働形態は、国公私立を問わず理念としても現実の姿としても日本の多くの大学において一般的なものであり、その意味ではこの問題は、高度化、専門化を目指す総ての大学職員に共通する問題でもある。
日時: 12月3日(土) 15時~17時
会場: 金沢八景キャンパス 体育館会議室
テーマ: 公立大学/ハザマにある大学の明日
話題提供: 菊地 芳明 (横浜市立大学 学務准教授)
司会: 高橋 真義 (桜美林大学 大学アドミニストレーション研究科教授)
その他の詳細及びFMICS高等教育問題研究会については http://www.fmics.org/ をご参照ください。
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