2019年1月29日火曜日

職員労働組合・横浜市従大学支部 2018-2019年度 活動方針について

1月23日、遅れていた2018―2019年度の職員労働組合・横浜市従大学支部の大会を開催、活動方針について下記の通り決定しました。

①近年の労使関係、雇用労働の面でのある程度の改善による小康状態から、場当たり的な拡大路線への転換に伴う法人財政の先行きの不透明化と一般教職員人件費へのしわ寄せ、②「グランドデザイン答申」等で明確になってきた大学の統廃合、縮小への政策的転換という内部及び外部環境の双方の悪化により、横浜市立大学の今後は、急速に不安定、不確実さを増しています。

このような状況で一般教職員の雇用条件・労働環境、ひいては雇用を守ることができるのはそのための存在であり、法令に基づく様々な権利を有する労働組合です。とは言っても現実のその影響力は組合員数の多寡に影響を受けざるを得ません。以下の活動方針をご覧いただき、ぜひ組合加入をご検討ください。



職員労働組合・横浜市従大学支部
2018-19年度 活動方針

  1. 働きやすい職場環境の確保への取り組み

    「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(平成30年11月26日)は、日本の高等教育政策が再編・統合、縮小、そして個別大学に対する直接的なマイクロマネジメントの強化を指向する新たな段階に入ったことを明らかにしました。一方、横浜市立大学においては、大学の混乱の大きな一因であった全員任期制が廃止され、当局側が労働3法を始めとする関係法令とそれに基づく労使関係に配慮する姿勢を示すようになるなど法人化以降以降長く続いた異常な状態からの変化も起こったものの、現中期計画における計画性の疑われる拡張路線は、早くも教職員人件費の抑制・引き下げへの動きという負の影響を引き起こしており、上記の高等教育政策の方向性と併せると大学の将来に暗い影を落とそうとしています。

    固有常勤職員の任期制廃止や非常勤職員の終身雇用、一般職への転換はそれのみで固有職員をめぐる諸問題を解決するわけではなく、業務負担増、人材育成、人事評価等の職場環境に関する多くの問題が残されています。財政の膨張を支えていた附属病院経営は消費税引き上げによりさらなる悪化が確実であり、現中期計画における経営拡大方針とあいまって法人財務のさらなる悪化へとつながり、教職員人件費抑制・削減への圧力がさらに強くなることが危惧されます。

    過去の若年層の極端に偏った固有常勤職員採用と「法人財政の厳しさ」を謳いながら同時に行われている近年の経営拡大という2重の構造的要因は、今後、長期間にわたって教職員人件費の抑制・削減への圧力として働くことが予想されます。組合の警告に耳を傾けることなく実施されたこれらの施策のつけを、経営責任を問うことなく一般教職員、そして学生に転嫁することは容認できるものではありません。大学に働く職員の職域を代表する労働組合としてこれらの問題に取り組み、法人化時の「固有職員の処遇は市職員に準じる」という労使合意を遵守させるとともに、職員の労働環境の改善、安心して働ける職場の確保に全力を挙げます。
  2. 組織拡大への取り組み

    法人化以降、市派遣職員の引き上げ・退職に伴う組合員の減少が続いていましたが、常勤・非常勤の固有職員の加入により減少に歯止めがかかりそうな様子も見えてきました。とは言うものの、大学にとどまっている市派遣職員は漸次退職を迎え、固有職員の組合員については、総合職、一般職とも様々な問題を抱え、かつ多忙化により目前の業務以外に目を向けるゆとりさえ失いつつある状況で組合の維持・拡大は依然として容易ではない状況です。

    組合ニュース【公開版】を通じた情報提供、問題提起等により固有職員の組合に対する信頼・期待は高まっていますが、これを新規組合員の獲得・組織の拡大へとつなげていく必要があります。特に、近年は新規職員の一括採用が無くなり、これに合わせて実施していた広報・勧誘活動も行われない状態が続いているため、これらの取り組みの立て直しを図ります。また、職場集会、学習会などを通じてずらし勤務の試行導入や業務の多忙化で難しくなっている組合員相互の交流を確保・促進し、組合の基盤を強固なものとします。
  3. 固有総合職(旧常勤固有職員)の給与体系変更、人事考課制度変更問題への取り組み

    昨年度、大枠で合意したこれらの問題については、住居手当の取り扱い等、継続事項とすることで合意していましたが、実際には当局側の都合により交渉は行われていません。このままなし崩しにされることのないよう、早期の交渉再開を強く求めていきます。
  4. 嘱託職員、契約職員の一般職化に伴う問題への取り組み

    雇用契約法改正による非常勤職員(嘱託職員、契約職員)の一般職への移行に関しては、昨年度、大枠に関して合意しましたが、本学嘱託職員と横浜市嘱託職員で月額4万円以上に格差が拡大していた給与についての改善は実現しませんでした。懸念した通り給与の改善が伴わないままの業務負担増も発生しており、制度運用の公平性に関する疑念も出ています。それにもかかわらず、今年度、組合の反対を押し切って一時金に関する格差の導入が強行された模様です。給与の引き上げを含め、この問題についても交渉を継続することとなっており、既に再開を要求していますが、総合職の問題と同様に未だに実行されていません。同じく早期の交渉再開を強く求めていきます。
  5. 大学専門職の雇用問題への取り組み

    大学専門職制度は、国内の大学関係者等の大学職員の高度化への要請に対する先進的取り組みとして導入されたものでしたが、法人化直後から大学の経営権を事実上掌握した市派遣幹部職員によって、その趣旨を無視した制度運用が行われ、告発本の出版など様々な問題が起こってきました。組合執行委員でもある大学専門職2名についても、昨年度の契約更新に際して、「学務教授」への変更について、教員、固有職員、横浜市職員に比して著しく均衡を逸した実現困難な基準を一方的に示す、突然評価を大幅に引き下げ説明も行わないなどなど、職員の高度化や専門化とは相反する人事政策上の動きが続いています。昨年7月に再度の要求を行いましたが、回答すらない状況が続いています。高度専門職としての適正な処遇を求め、今後も取り組みを継続します。
  6. コンプライアンスに基づく労使関係確立への取り組み

    1.でも記したように、ここ数年で労働3法を始めとする関連法令及びそれに基づく労使関係については、一定の改善がみられるようになりました。これは法人化以降積み重ねてきた交渉や組合ニュース【公開版】等を通じた指摘がある程度の影響を及ぼしたものと考えられますが、同時に労基署の度重なる指導、そして属人的要素をあいまってのものであり、今後も同様の傾向が続く保証はありません。問題は、法人化後、事実上人事権等を掌握する市派遣幹部職員の労働3法、労働契約法を始めとする関係法令、制度等への知識・認識の不足は構造的要因に起因するもので、それが人事制度設計、運用、個別雇用トラブル等に依然として影を落としています。関係法令及びそこで保障された労働者・労働組合の権利の尊重に基づく労使関係の確立を求め取り組みを続けます。
  7. 横浜市従本部、教員組合等との連携

    本学の労働環境は、外部環境及び法人財政のさらなる悪化に伴い法人固有教職員にとって今後、まずます厳しいものとなることが予想されます。横浜市従本部、教員組合や病院組合等との連携を深めつつ、山積する問題に取り組んでいきます。



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